日本人と英語

世界の言語の起源はひとつ?

2016年4月24日 CATEGORY - 日本人と英語

世界の言語            

 

 

 

 

 

先日、書籍紹介ブログで「本当は語学が得意な日本人」という書籍をご紹介しました。

その中で、非常に面白い考え方が紹介されていました。

それは、「世界の言語の起源はひとつ」という考え方です。

著者は、このタイトルのように確実に「ひとつ」だと断定するような極端な立場はとってはいないようですが、少なくとも「インド・ヨーロッパ語族」という分類に見られるように、ある程度は「祖語」と呼ばれる言語に起源を発するという考え方に基づいてらっしゃるようです。

まず、「インド・ヨーロッパ語族」という概念についておさらいしておきましょう。

230年ほど前のイギリス植民地インドにイギリス人ウィリアム・ジョーンズという判事がいました。判事という職業でしたが、彼は母国語である英語以外にラテン語やギリシャ語など複数の言語を話すマルチリンガルでした。 彼は、自分自身が様々な言語を操る中で、異なる言語の「言葉」やその「音」につながりを感じていたことから、自ら研究を重ね、それぞれに共通の「意味・イメージ」を突き止めました。 このことが、言語的に「ヨーロッパ=イラン・インドの広範囲にわたる地域の言葉」が「ひとつにつながっている」という「インド・ヨーロッパ語族」という概念を構築するきっかけとなりました。

本書はそのような考え方が、一人で何か国語もの言語を操ることができる「マルチリンガル」を生み出すことを可能とすることに一役も二役も買っているということを実際の事例をあげながら解説しています。

この本の大きなテーマとしては、書籍紹介ブログでご紹介したように日本人は決して語学下手ではないということの主張ですが、もう一つのテーマはこのような言葉と言葉の「つながり」を最大限に言語習得に活用するべきだという主張です。

異なる言語における「つながり」を最大限に活用して多言語習得に活用するというのが、私としては、著者のこの「つながり」を「つながり」と思いこむその思い込みの強さに圧倒されてしまいましたが、現に、著者をはじめかなりの数の方が、マルチリンガルとなる上で、この「つながり」を活用ししているということであれば、あながち単なる思い込みと片づけるわけにもいかないかなと思わされました。

次回は、具体的にその「つながり」について見てみたいと思います。  

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