日本人と英語

意味不明な現在完了の継続用法

2018年5月25日 CATEGORY - 日本人と英語

前回から「英語の素朴な疑問に答える36章」からテーマをいただいて書いていますが、今回は前回書ききれなかった現在完了形の継続用法について、「終わっているのに続いている」とはどういうことなのかという問題について答えていきたいと思います。

では早速、この問題に対する著者の回答を引用してみます。

「1875年に出版された英文法書『語学独案内』の著者フランシス・ブリンクリは、日本公使館武官補及び守備隊長として来日、日本語に堪能であった。彼は本書の中で、現在我々が『現在完了形』と呼んでいるものを次のように説明している。『事業の過ぎし時限が現に接しているか、または何程すぎしや判然と分かたずして言うか、この2様の場合に英語ではpresent perfect 、すなわち【既然現在】を用いる。【造作をようやく仕上げた】のごときは最初の場合にあたり、【あのことをお聞きなさいましたか】等のごときは第2の場合にあたるなり 』。さて問題は『既然現在』である。『既然』とは『スデニシカリ』ということで、現代語訳すると『すでに何々したからには、何々した以上は』という意味である。つまり、『既然現在』とは『既に何々した上での現在』ということになる。」

これをよむと「完了(終わった)」という意味などpresent perfectには存在していないということが分かります。

つまり、「終わっているのに続いている」とはどういうことなのかという問題については、「終わっているとは限らない」というのが答えになります。

私は、文法講座において、現在完了を「過去の一点に起こった動作とそれに関連した現在の状況を一度に表現する方法」だと教えています。

つまり、過去形は過去の一点についての事実しか表現しないのに対して、現在完了形は、過去の一点に起こった動作によって現在どんな状況がひきおこされているのかまで含めて表現する方法です。

ですから、完了も経験もそして継続もすべてこの考え方から外れていないとは確信していましたが、唯一「継続」だけは他の二つとは少し毛色が違う感覚をぬぐえなかった部分がありました。

しかし、この『既然現在』=『すでに何々したからには、何々した以上は』という表現を知ることで、

①「すでに宿題を終わらせたからには、(現在は自由だ)」(完了)

②「すでにイギリスに行ったからには、(現在はイギリス事情に詳しい)」(経験)

③「すでに学校に通ったからには、(現在も通っている)」(継続)

という三つの意味合いを統一的に違和感なく説明することができるような気がします。

しかし、日本の英語教育が始まってから150年以上たつというのに、いまだに最も理解しやすい説明が、143年前に出版されたしかも、外国人によって書かれた文法書から見つかるというのは何とも複雑な気分にさせられます。

ですが、少なくとも「意味不明」な項目を解決するためには、あらゆる手段を用いる度量を持たなければいけないということを著者から教えられました。

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