日本人と英語

自動翻訳時代の言語力

2018年4月18日 CATEGORY - 日本人と英語

先日代表ブログにて落合陽一氏の「日本再興戦略」をご紹介しましたが、その中で自動翻訳の技術が成熟した未来における言語の位置づけについて言及されていましたのでそのことについて触れたいと思います。

本書では、新技術の最前線で活躍される著者だけあって自動翻訳機能の進化について非常に生々しく書かれていました。そしてその進化によってもやは異なる外国語間の翻訳はほぼ自動翻訳で足りることになるであろうという私達外国語教育業界にとって非常に恐ろしい未来が描写されていました。

実際に、著者は次のように言っています。

「日常生活に関しては、自動翻訳技術が飛躍的に向上していますので、(外国語が話せなくても)ロジカルに話せるだけで十分だと思います。逆によく考えて意味の分かる言葉でしゃべることは英語を勉強する事よりも重要になります。話し言葉にしろ、書き言葉にしろ、機械翻訳がちゃんと出来るよう、伝わりやすい表現を心掛ける必要があります。」

このことについて、私はかつてこのブログにおいて「『中間日本語』という考え方」という記事にてすでに指摘しました。

この考え方からすると、「英語っぽい日本語」が「ロジカルな日本語」であるという意味に捉えられ、逆に言えば普通に話す日本語はロジカルではないということになってしまいそうです。

誤解を恐れずに言えば、それは80%くらいは正しいのではないかと思います。

なぜなら、英語が語順によって言語を規定し、助詞や活用などを使わないことによって誤解のリスクが大幅に低減された言語であるという意味で英語が日本語と比べて言語としてロジカルであると言えるのではないかと思うからです。

もちろん、日本語も助詞や活用などを適切に使用すれば、日本語としてロジカルな表現をすることは出来ますが、それがうまくいかないリスクは英語に比べて本来的に高いことは確かだと思います。

ならば、日本人が日本語を話すときにも、その誤解を生じさせる要素を出来る限り排除して、誤解のない文章構成をすることを習慣づければ、日本人同士でのコミュニケーションはもちろんのこと、自動翻訳の時代になった場合にも、機械がその他の言語へ翻訳する際に語訳リスクのない、非常にスムーズなコミュニケーションが当たり前のように実現することになるはずです。

また、機械翻訳の時代であっても翻訳を使わずに英語を学ぶ需要はゼロにはならないはずです。お互いのことばで通じ合うことは、それ自体に喜びを感じるのが人間だからです。

この習慣が身についている人間であれば、英語の習得は非常に容易に行われることが分かっています。

ランゲッジ・ヴィレッジの「文法講座」は、2泊もしくは5泊という短期間において中学三年分の英文法を身に着けさせるという特訓講座ですが、この短期間でこれを可能にさせる秘訣がまさに、英語の「語順によって言語を規定し、助詞や活用などを使わないこと」というポイントを体にしみこませることだからです。

そして、この講座を終えた方の多くが、「英文法の講座でしたが、英語だけでなく日本語の力がものすごく上達したように感じます。」という発言をされます。

いかに今までの人生の中で日本語をいい加減に使っていたかということを反省されるのです。

本当に日本語力がある人はロジックがしっかりしているということであり、ロジックがしっかりしている人であれば、他の言語の仕組みを習得するには多くの時間は必要ないということなのです。