日本人と英語

英語には発音記号が必要な理由

2015年10月11日 CATEGORY - 日本人と英語

発音

 

 

 

 

 

 

 

またまた、「日本人に相応しい英語教育」から、いただいたテーマについて書こうと思いますが、恐らくこれで最後です。

そのテーマとは「発音と綴り」です。

以前に、「英語の歴史」という本を紹介した中で、このテーマについて以下のように簡単に触れました。

「これは、英語が歩んできた歴史の中で頻繁に他の言語との接触・融合が行われたのにもかかわらず、それらの影響を綴りに反映させ損ねたのが原因のようです。」

この一言では、なかなか理解が進まなかったと思います。今回、本書において、このテーマについてもう少し細かな説明をされていたのでここで紹介したいと思います。

「ラテン語直系のイタリア語やスペイン語の場合、ごく一部の例外を除くと、綴り字通りに発音すれば正しい発音になる。英語の親戚のゲルマン諸語(ドイツ語、オランダ語、北欧諸語)もほとんどつづり字が発音を表す。ところが英語は異端である。綴り字と発音の乖離が特徴だ。15世紀に発明された活版印刷術により数万冊の書物が出回り、これが次第に定着していった。ところが、英国においては、その後に『大母音推移』という大きな音韻変化を組織的な規模で被っている。どの言語でも歴史的に音韻の変化はみられるが、欧州の言語でこれほどの大規模な変化を被った言語はない。その後にもその変化は続き、現代英語では綴り字が発音を表示できないため、音声記号に頼らざるを得ない事態に陥ったのである。(一部加筆修正)」

つまり、「言語は発音に変化が生じれば、それを記録する綴りもその通りに変化するというのが当たり前だが、英語においては他国に比べて書物の印刷が多く行われたことから、それが始まった15世紀の発音による綴り方が固定されてしまった、しかし、その後、英語だけが大きな発音の変化を経験したため、現在のようなことになってしまった」ということのようです。

ではなぜ、そのような大きな変化が英語にだけ起こったのかということを調べましたら、以外にもウィキペディアに次のような 記述 がありました。

「わずか200~300年という短期間にこれほどの変化が起きた原因は特定されておらず、現在も謎のままであるが、黒死病(ペスト)により少数の知識階級の人々が死んだため、大多数を占める下層階級の人々の間で使われていた発音が表に出てきたという説もある。」

こう見てくると、言語の歴史は以外にも、恐竜の化石発掘や考古学と同様のアプローチで研究されているということが分かります。現在コミュニケーションツールとして普段から使用している言語とはいえ、意外にもその来し方がよく分かっていないという不思議な事実に気づかされ、非常に興味をそそられてしまいました。