日本人と英語

なぜ「合宿」なのかを考える

2017年12月10日 CATEGORY - 日本人と英語

 

◆最終的に「使える英語」の実現は「英語を使う環境」でのみ可能

前々回の「文法が絶対必要な理由」、前回の「文法を会話に結びつけるために」と連続して「文法をしっかり学んだ上で、それを活用して複雑なコミュニケーションのトレーニングを積むこと」こそが、使える英語を身に付けさせるための唯一の方法、すなわち英語習得の「方程式」であるとお伝えしてきました。

そして、ランゲッジ・ヴィレッジは「文法講座」によって、「文法を会話に結びつける」ことを実現しており、しかもその中で、実際の会話ではありえないくらいの負荷をかけてトレーニングを行うことをお伝えしました。

しかし、それだけで「使える英語」が身に付くかと言われれば答えはNoです。

私たちは、机上でできる文法トレーニングの重要性についても十分認識していますが、それは「文法を会話に結びつける」ところまでがその限界だということについても明確に認識しています。

結論的に言えば、「使える英語」を実現するためには、必ず「英語を使う環境」に身を置く必要があります。実際に頭の中に記憶され、整理されたツールとしての英語知識を実際に「英語を使う環境」においてコミュニケーションの成功と失敗を一定以上自らの体で経験することがどうしても必要になります。

一般的には、その経験は「海外留学」に求められます。

しかし、「海外留学」には多くの成功例もありますが、同じくらい、いやそれ以上の失敗例があるのが現実です。その大きな理由は、「使える英語」を獲得するために必要なコミュニケーションの成功と失敗を一定以上経験するには最低でも「半年」や「一年」という時間がかかり、全ての人がその期間を頑張り続けることができるわけではないことにあります。

なぜなら、一般的な「海外留学」は、管理されないものだからです。

つまり、一般的な「海外留学」ではただ「環境」がそこにあるに過ぎないのです。自ら求めてネイティブスピーカーの輪の中に最初から飛び込むことができる人であれば、その管理は不要ですが、まだ英語が不自由な状態でそのようなことができる人はほとんどいません。

最初は、日本人だけで固まってしまったり、一人ぼっちの時間を経験したりする中で、少しずつ、その「英語を使う環境」を活用する割合を増やしていかざるを得ないのです。

当然ですが、自分から入り込んでこない日本人に対して、積極的に受け入れるネイティブスピーカーなどいないからです。

そのような時期を乗り越えるのに、「半年」や「一年」はかかってしまうということになります。時間に余裕のある学生さんであればそれも一つの経験として受け入れることができたとしても、現役のビジネスパーソンであればその時間を確保することは容易ではありません。

ランゲッジ・ヴィレッジは、この「海外留学」の現実を熟知しているからこそ、日本国内に、「まだ英語が不自由な状態の日本人を朝昼晩の食事を含め一日中ずっとネイティブスピーカーの輪の中に浸らせる」仕組を作り出したのです。

それが、国内留学(会話コース)です。

 

◆なぜランゲッジ・ヴィレッジは合宿スタイルにこだわるのか?

ランゲッジ・ヴィレッジは国内留学はもちろんですが、文法講座についてもまた姉妹サービスである中国語講座「中国語超特急」についても「合宿スタイル」にこだわっています。

ここでは、その理由について一冊の本を紹介しながらご説明したいと思います。

それは「戦略キャンプ」という2泊3日で最強の戦略と実行チームを作るための合宿を推奨するIBMのビジネスコンサルタントの方々が書かれた本です。

企業の戦略を2泊3日というある程度まとまった期間、日常業務から離れた場所でそのことだけに集中して議論することで、経営にかかわる方向性とその実行性を確保するうえで当初は考えもしなかった効果が発揮されることを明らかにした本です。

私たちは、ランゲッジ・ヴィレッジを10年間以上にわたって運営してきました。その中で、私たちのこの事業の中核的な価値は「そのことだけに集中することができる環境」の提供だと考えています。

この環境の提供を実現することで、世間の一般常識で考えればありえないような「効果」を「短期間」のうちに生じさせることができるからです。

その中で、私たちの経験に基づく「合宿」の効果を第三者が客観的に論じた書籍はないかということで探した結果、出会った書籍がこの「戦略キャンプ」です。

上記の通り、直接的には企業の戦略を立てるための合宿ですので、スキルを身に着けるための私たちの合宿とは少し意味合いは違いますが、「合宿」の威力を整理して明らかにしている点で参考になると思いました。

 

◆合宿のメリット

この「合宿」の威力とは「加速度効果」だと考えています。

この加速度効果については、別ページ「合宿効果の科学的根拠」にて詳しく説明しておりますが、ここで簡単に説明させていただきます。

一般的な学習スタイルである週に1~2回で1回当たり1~2時間という細切れの学習では、学習と学習との間に間隔があると忘れてしまう部分があり、もう一度重複して行うなどの非効率さがどうしても生じてしまいます。それに対して、「加速度効果」とは、取組対象以外のものをすべて排除することで、そのような非効率さを一切排除することで少なくとも、細切れ学習の2倍くらいの「効果」が生じることを言います。

本書では、この「合宿」の本質である「加速度効果」が生じる具体的な理由について、以下のような明確なポイント整理がされていました。

 

① 日常の仕事から離れた環境

会社から程よい距離(電車で一時間から一時間半程度)の自然に囲まれた場所が最も効果が高い。日常の仕事から離れた気分になれるが、仕事をしたくなくなるほどのリゾートでもないこと。これによって非常識な集中力が得られる。人間は想像以上に環境に影響される。

⇒ランゲッジ・ヴィレッジは静岡県富士市の富士山麓に位置し、最寄り駅は新幹線の新富士駅。東京より新幹線こだま号で1時間15分です。

 

② 明確な目的を意識しながら取り組めること

この期間内に「〇〇を実現しなければならない」という目的が合宿参加者全員の中で共有されているため一瞬一瞬を無駄にしない意識がずっと働き続ける。

⇒ランゲッジ・ヴィレッジの講座はすべて設定期間で一定の効果が生じることを前提として作られていますので、その意識は参加者全員に明確に保持されるはずです。

 

③ 不完全燃焼になりにくいこと

仲間意識が働くことから落ちこぼれにならない、ならせないという意識が働く。自分一人だったら諦めてしまうものを、全体の雰囲気で最後まで継続できてしまう。

⇒このことは非常に大きいです。例えば、私自身もパソコンスキルなどを本屋さんで買った本で学ぼうとしたり、商工会議所主催のパソコン講習に通ったりして何度挫折したか分かりません。合宿に入ってしまえば、やりきるしかなくなります。

 

今回、「合宿」の仕組みを改めて客観的に分析する機会を得たことによって、自分たちの商品である「合宿」の価値により一層の自信をもって皆様に提供させていただくことができるようになったと思っています。

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