日本人と英語

日本人が発音を気にしてはいけない理由

2016年9月21日 CATEGORY - 日本人と英語

発音

前回、書籍紹介ブログにて、「なぜあの人は中学英語で世界のトップを説得できるのか」をご紹介しましたが、この本の中からいくつかテーマをいただき議論してみたいと思います。

今回のテーマは「発音」です。

本書では、日本人が英語をビジネスで活用するということを前提にした場合、「中学英語レベル」で十分だということを、孫正義氏という、世界を相手にビジネスにおいて圧倒的な成果を出し続けている人の英語の使用に関する実際の例をふんだんに活用しながら解説しています。

そして、その孫正義氏自身の英語がまさに「日本人なまり」の英語でその成果を出していると言います。実際に、彼の英語の発音を見てみましょう。

う~ん、本当にいわゆるネイティブではないことがはっきりわかる日本人英語ですが、きっちりと自分の伝えるべきを伝えている、まさに日本人がお手本にするべき英語だと思います。

私は、こういう英語を聴くと本当にしびれてしまいます。(笑)

私は、このブログで何度も書いていますが、英語の習得そのものにおいていわゆる臨界期説というのは否定されるべきものだと考えています。臨界期説が成立するのは、いわゆるネイティブ「発音」の習得においてのみです。

しかし、多くの日本人がそのネイティブ発音に憧れ、できることならわが子が臨界期に達する前に、それを身に付けさせてやりたいと考えています。その時に注意しなければならないのは、臨界期前にそれを達成するためには、日本語をある程度犠牲にすることで、圧倒的に英語に触れる時間を確保する必要があるということです。

そしてそれは、日本語による思考の基礎を作ることを犠牲にする覚悟とセットだということです。

臨界期前というのは、日本人にとっては、同時に日本語においても思考の基礎を作るべき大事な時期なのです。その大事な時期に、英語と日本語をトレードオフの関係におくなど、絶対にしてはならないことです。

私は、いままでこの英語と日本語のトレードオフにおいて、英語を「中途半端に」選択して、取り返しのつかない結果を招いてしまったケースをいくつか見てきました。

それに対して、日本語を選択して、英語におけるネイティブ「発音」を犠牲にする選択をした場合については、そのような残念な結果を招いたケースは見たことがありません。

この孫正義氏の例を待たずとも、英語が必要になった時に、適切な学習をすることで、「日本人なまり」の英語を自在に操ることで、必要な目的を果たすことができることは明らかです。

ただ、本書においては、一点、次のような指摘がありました。

「発音を諦める代わりに重視したいのが、アクセント、つまり音の強弱とリズムです。」

英語の言語としての特徴は、このアクセントとリズムにあります。これさえ、ある程度把握していれば、発音に関してはほとんどの場合、問題になりません。

しかも、この二つに関しては、臨界期とは関係なく、英語を聞くこと話すことを集中的に行うことによって、習得することができます。

このことは、いい例かどうかは分からないですが、歌のうまい人と音痴な人はいるけれども、歌を口ずさむこと自体ができない人はいないということに近いような気がします。

これからも、ランゲッジ・ヴィレッジは、音痴(日本語なまり)でもどんどん歌う(話す)ことを推奨していきます。(笑)

 

 

 

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