日本人と英語

日本人と和製英語

2014年12月7日 CATEGORY - 日本人と英語

和製英語

 

 

 

 

 

 

先日、書籍紹介ブログにおいて「和製英語が役に立つ」という本を紹介しました。

私は、今まで和製英語のような文化こそ、日本人を英語から遠ざける元凶だと強く非難してきました。

今でもその思いは変わらないのですが、この本を読んで少しだけ和製英語を違った角度から見る機会を得ました。そして、それらを分析的に見ることによって日本人と英語について真剣に考えようと思いました。

そもそも、和製英語とひとくくりにされますが、和製英語の定義である「日本にやってきた英語が、本来の英語から意味や使い方が変わって日本語化したもの」のパターンは以下のように分類することができるようです。

①短縮系~アパート、スーパー、フロントなど

②部分活用系~スケジュール、パフォーマンス、バランスなど

③誤解系~クリーニング、パネラー、ナイーブなど

④混同系~アイドル、クレーム、スタッフ、チップなど

⑤分離系~アイロン、シングル、ブリーフなど

です。これらの中では、それぞれ日本人を英語から遠ざける元凶となっている度合には差があり、最も凶悪なのは誤解系と混同系で、これらは「悪」以外の何物でもないと思います。(笑)

一方、短縮系については、それが短縮されたものなのだという認識とともに記憶すれば、例えば日本語の「携帯(携帯電話)」と同等ととらえて諦めることもできるでしょうし、部分活用系や分離系も、その意味自体は間違っていないわけで、中途半端だけれどゼロよりましだという考えもありかも知れません。

ですから、やり玉に挙げられるべき凶悪な「和製英語」は誤解系と混同系の和製英語のみであり、他のものをこれらと区別することで、日本人が英語との付き合いの中で自らに取り込んだ貴重な資産として活用できるとする考えが成り立つと考えられなくもありません。

例えば、次の映像をご覧ください。

これは、以前にランゲッジ・ヴィレッジが地元テレビ局に取り上げられたときに、一緒に取り上げられた学校についてです。当時は、私は和製英語自体に対する非常に大きな反感があったために偏見の目で見てしまい、正直言って一緒に取り上げられたくないな~と思っていました。

ただ、今回本書を読み、改めでこのビデオを冷静に見ることで、この和製英語を含むカタカナ英語全般に対する分析的な視点を得られたような気もします。

まず、ご本人がおっしゃっているように「カタカナ英語」のうち和製英語は10%程度です。逆に言えば、ほぼ9割のカタカナ英語は既に日本人が持っている資産として考えられます。そして、この方の指導方法のように、その資産を生活に密着させることで具体的「イメージ」として理解させるという取組は非常にいい点だと思いました。

ただ、それだけで終わってしまったら結局はカタカナ英語というあくまでも日本語の語彙を増やしただけで終わってしまいます。

ですから、それを「大人英語」にしっかりと結び付けていくこと、すなわち日本語としてのカタカナ英語から、しっかりとした「英語」に飛躍させることが重要だと思います。このことができないと、以前に私が指摘した「アルファベット問題」がいつまでも解決されません。

そのためには、少しずつでも凶悪な和製英語と善なるカタカナ英語の仕分けをしっかりして、前者を排除し後者を本物の英語に飛躍させることをやっていくべきかと思います。