日本人と英語

日本人の外国語は日本人の責任で その2

2015年6月3日 CATEGORY - 日本人と英語

中国語超特急

 

 

 

 

 

 

 

 

前回の記事 にて、「結局、日本人がどうやって外国語を勉強をしたらいいかは、最終的には日本人が考えなければいけないことなのです。」という言葉について考えを述べましたが、実は私たちが既にやっているサービスにおいてこのことを特に強く意識して作り上げている講座がありますので、今回はそのことについて書いてみたいと思います。

それは、ランゲッジ・ヴィレッジの中国語講座「中国語超特急」です。

この講座は、2週間という限られた期間で、中国語に関する知識がゼロの「日本人」を対象に、一人で中国へ行っても何とかなる中国語の実力を身に着けさせる内容のものです。

「一人で中国へ行っても何とかなる」といってもかなりあいまいなので、もう少し具体的に説明しますと、前半の1週間で発音を完璧にマスターし、後半で最低限の文法と会話のフレーズを学習することで、「日常生活は自分一人で、ビジネス上の交渉ごとについては通訳を通すが、その通訳が的確な翻訳をしているかを判断できる」実力を身に着けるという内容です。

常識的には、何年もかかっても身につかない人が多いのに、たった二週間でこのようになるなどほとんどの人が信じられないとおっしゃいます。しかしながら、私たちはこのことを前提にこの講座を8年間運営してきていますが、いまだかつてこのことで苦情をいただいたことはありません。

それではなぜこのような講座が存在しうるのか。それは、まさにこの講座が、「日本人がどうやって中国語を勉強をしたらいいかを最終的に日本人が考えたものだから」です。

まず、私たちは「日本人にとって」の中国語の本質について徹底的に考え抜きました。

その結果、次のようなエッセンスが導かれました。

「漢字を知っている日本人にとっては、中国語は文法(構造)が世界で一番簡単である一方、発音が50音しかない日本人にとって400音×4声=1600音を聞きわける必要のある中国語は世界で一番発音が難しい言語である。」というものです。

ですから、日本人にとっては、中国語はすなわち発音がほぼすべてとなります。逆にこれさえクリアしてしまえば、あとは労せずに身に着けることが可能となるのです。

そのため、中国語超特急では、第一週目については徹底的にほぼ一対一の体制で発音特訓を「できるまで」ひたすら繰り返すのです。発音という「意味のない」ものを繰り返すのは非常に苦痛を伴います。しかし、中国語を身に着けたかったらこれは避けては通れないことも確かです。しかも、このハードルは独学でクリアすることはほぼ不可能です。また、大人数のクラスでも非常に難しいと思われます。なぜなら、発音は理屈ではないので、各人が「できるまで」徹底してトレーニングすることが求められるからです。

ランゲッジ・ヴィレッジは合宿という方法で、「そのトレーニング以外することがない」環境を作り出すことによって、1週間という限定された期間内でそれを達成することができます。

これによって、発音さえクリアしてしまえば、あとは基本的な中国語の文法とフレーズを覚え、その後、ランゲッジ・ヴィレッジの英語の合宿と同じ要領で、「中国語を使って」生活するだけです。

ここで、「日本人がどうやって中国語を勉強をしたらいいかを最終的に日本人が考える」ことの重要性を考えると明らかになるのは、最もやってはいけない方法は、「初心者の中国留学」であるということです。

中国ビジネスをやられている企業さんで時々見られるのが、中国の大学の語学研修プログラムに社員さんを派遣するというものです。つまり、これは外国人に対して「丸投げ」することです。

その結果どうなるのかというと、(日本人のためだけに講座を作るというのであれば話は別ですが、)一般的には大学の語学研修プログラムは、日本人以外の外国人留学生も受け入れるのが普通ですので、日本人と違って漢字の全く分からないけれども、発音には長けているヨーロッパやアメリカの学生と肩をならべて学習することになるのです。

すなわち、全くの非効率的なことが行われることになります。これでは、一年いても、結局発音がいまいちよく分からないという状態で帰国するのは当たり前です。

ですから、ランゲッジ・ヴィレッジでは中国語に関しては上記で述べた通りですし、英語についても、すべてのレッスンを作る際には日本人が必ずレッスンのコンセプトと校正の枠組みを明確にすることにしています。このあたりのことは「レッスンの作り方」をご参照ください。

日本人のための語学学習戦略は日本人自身で行うことは絶対に必要なことです。このことは、以下に優秀な講師を集めるか以上に大切なことだと私は考えています。

 

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