日本人と英語

短縮形の謎

2016年9月9日 CATEGORY - 日本人と英語

前々回から、「人生を変える英語力」の中からいくつかテーマをいただき議論していますが、第三回目の今回は、「短縮形の謎」に迫ってみたいと思います。

私が主宰する「二泊三日で中三文法を血肉にする講座」では、私は意識して短縮形を使わないようにしています。しかし、ほとんどの生徒さんがこちらが何も言わなければ、当たり前のように短縮形を使います。

それは、日本の学校教育が短縮形をデフォルトで教えているからです。

それではなぜ、私が意識して短縮形を使わないのかといえば、留学時代の経験から、日本人が使うほど現地の人たちは短縮形を使っていないなと「なんとなく」感じていたからです。

しかも、私自身が短縮形を頻繁に使用していた当時、いちいち聞き返され、何度も言い直した結果、結局元の形で言うということが、頻繁に起こっていたということもありました。

ですから、私が意識的に短縮形を利用しない理由としては、主には日本人の発音の正確性の問題を回避するということでした。

本書においては、その発音の問題以外に私が「なんとなく」感じていたことについて、非常に的確に言語化して説明してくれていましたので引用させていただきます。

「短縮形は英会話において非常に重要な役割を果たします。相手との距離感を確立するための道具となり得るのです。英語には上下関係を示す敬語はない代わりに、距離をとったり、保ったり、縮めたりするために短縮形をうまく活用しています。具体的には、非常に近しい友人、家族などの相手とは頻繁に短縮形を使い、逆に初対面の相手、大事なビジネス交渉、訴訟、学術発表のようなフォーマルな場面では短縮形の使用は避けます。また、書き言葉でも、正式に提出する書類などにおいては短縮形を使うのは失礼にあたります。」

まさに、この通りだと思いました。

ですから、日本人が外国語として英語を学ぶというスタンスとして、特にビジネスマンが英語を学ぶスタンスであれば、間違いなく短縮形は使わない方がよいということになります。

私の講座の中での説得力をまた一つ上げるネタを手に入れることになりました。

 

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