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おとなになるってどんなこと?

2018年7月11日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

昨今では立法、行政、芸能と「立派な大人」として活躍していた人のありえない実態をこれでもかと見せつけられることが頻繁に起こるようになっています。

それらを見せつけられるたびに、大人になるということはどういうことなのか、という疑問をもつ子供に対して、「こういうことだよ」と自信をもって伝えられる大人がどれほどいるのだろうかと思ってしまいます。

まさにこの疑問ズバリのタイトル「おとなになるってどんなこと?」という吉本ばななさんの本を偶然見つけ、読んでみることにしました。

本書で著者は、直球でこの疑問に答えています。

もちろん大人になる前の子供に語り掛ける形で文章を書かれているのですが、その内容は大人の私が読んでも非常に含蓄に富んでいました。

とかく大人というのは、こういった質問に対してはどこかで誰かがすでに書いたようなものを引用して回答しようとしたり、自分の経験は横に置いておいて一般的なことで逃げようとしがちです。

本書での著者は、この漠然とした質問に対する答えとして、自らの経験に即して、次のように自身の言葉で書かれていたのが印象的でした。

「(私が病院に行くのに一日中付き添ってくれた)おばあちゃんにとって、今日は自分のしたいことができる一日だった。私は今まで一緒に来てくれることを当たり前だと思っていたけれど、そんなことはない。私を思ってついてきてくれているそのことはとても貴重なことなんだ。そのことがいっぺんに丸ごと分かったのです。そして、私はおばあちゃんのお荷物をさっと持って言いました。『今日はありがとうございました。せめて荷物をお持ちします。』これが私が大人になった瞬間です。初めて本当の意味で他者を思いやった瞬間だし、初めて恥ずかしいとかカッコ悪いとか面倒くさいとかいう気持ちを脇において行動したし、自分のおかれている恵まれた環境を客観的に見ることができた時だったのです。」

つまり、自分と社会との関係性を客観的に見ることができるようになり、その理解に基づいてとる自分の行動に責任が生じることを認識できるようになることが、「大人になること」だということです。

まだその認識を持つことができていない子供に分かるような文章で説明することで、よりそのことの本質が伝わってきます。

そして、また当たり前のことですが、このように説明されると、冒頭に書いた「立派な大人のありえない実態」の本質も、この文章を読むとずっしりと伝わってきます。