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コピーライティングという名の技術

2014年4月6日 CATEGORY - 代表ブログ

oishi01

 

 

 

 

 

 

 

 

皆さん、こんにちは。

先日、かなり長い間「積読」状態にあったのですが、「日本のコピーベスト500」という本を読了しました。

この本は、日本を代表するコピーライター、CMプランナー、等が戦後60年以上にわたって日本で作り出されたコピーの中から「日本のコピーベスト」を500個選び出し、ベスト100までにはそれぞれに解説を付けたものです。

ちなみに、冒頭の写真は栄えある第一位に輝いた、おそらくコピーライターの中ではダントツに有名人であろう糸井重里氏による「西武百貨店」の広告コピー「おいしい生活」です。

私自身も、自らの商品であるLVのコピーなどは自分でできるだけ考えているので何かヒントになることはないかと時々、コピー関係の本は読むようにしています。

最高のコピーを最高のコピーライター達が論評してくれていますので、一つ一つのコピーの論評にぐっと引き込まれ、知らないうちにその論評を自分がしているような気持になってくるから不思議です。

最終的には、何が良いコピーで何が悪いコピーなのかということが分かった気持ちになってしまうという図々しさです(笑)。

しかし、実際に自らコピーを書こうとすれば、そのような感情をもつことががどれだけ「はずかしい」ことだったかが痛いほどよくわかります。

解説の抜粋に以下のようなものがありました。

「・・・それにしてもコピーを書く作業には大変なことばの技がいる。しかも、物売り芸の一種であるという制約上、重々しかったり、もったいぶったりすることなく、常に明るく、軽やかに、さりげなく、時にユーモアも交えて、時代をコピーしていかなければならない。」

そうです。あくまで、「物売り芸の一種である制約」の中で「時代をコピー」していかなければならないのです。

つまり、コピーは決して芸術ではなく、あくまでも技術だということです。

このことがいかに難しいことなのか、自ら書こうとすればいきなり痛感させられるわけです。

例えば、私のような自らの商品をPRしたいという経営側の人間であれば、どうしても「物売り芸の一種である制約」に押し込まれてしまい、とても「時代をコピー」できる余裕を手にすることができなくなってしまいます。

つまり、特定商品名を連呼したくなったり、その商品の性質をくどくど説明したくなったりという誘惑に駆られてしまうのです。

また、逆に、プロのコピーライターの方であれば、私のような経営側からすると「商品への理解が足りないのではないか」という根本的な疑念が生じてしまって、「時代のコピー」に偏ってしまって、「芸術作品」を作って終わってしまうのではないかと心配してしまうわけです。

つまり、うちの会社の経費を使ってあなたの創作意欲を満たしたいだけなのではないのか?という疑いを持ってしまいがちというわけです。

ですから、素晴らしいコピーを作るという作業はこの両者のバランスを「完璧」にとることで「時代のコピー」に「時代を動かす」力を授けるという「運」や「タイミング」までも含めた「神業」作業だといえるのかもしれません。

その点、さすがに「日本のコピーベスト500」の中に選出されたコピーですので、ほとんどすべてのコピーがその二つを両立させているのです。

そんな視点で見たうえで、私個人的にベストだと思ったコピーを紹介します。

sapporo

「男は黙ってサッポロビール」

ベストだと思う最大の理由は、やはり売りたい商品である「サッポロビール」と「時代のコピー」の絶妙なバランスに他なりません。

あくまでも特定の企業の商品である「サッポロビール」をその企業がPRしているのにどこか「一般名詞」的な響きを保ちつつ、「モーレツ」時代の男がビールを飲むという「イベント」がもつ時代の雰囲気をかもしだすといったところで、すさまじい「時代を動かす」力を感じるコピーだと思います。

この確信犯的な「一般名詞化」の技術は本当に半端ではないと思います。

このような技術をものにするためには、この商業社会の中で常に主体的な立場と客観的な立場を行ったり来たりするというものすごく矛盾に満ちた生活態度をするという課題を自らに課しながら生活する努力を続けていくことだと思います。

そのような努力を続けて初めて身に着けることができる「天下一品」な技術だと思います。