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ネット時代におけるニュースの行方 その2

2017年5月19日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

先週の記事に引き続き、「ネットメディア覇権戦争~偽ニュースはなぜ生まれたか~」という本について書こうと思います。

今回は、新聞社など玄人が作るニュースとブロガーなどの素人が作るニュースが入り混じり、偽ニュースが紛れ込む状況が生まれてしまった現状で、その現状を何とかするために作り出されてきた新しい仕組みについて見てみたいと思います。

本書では5つの仕組みを紹介していましたが、全体的な流れを理解しやすいように、ここではそのうちの三つを紹介します。

一つ目は、「LINE」の取り組みです。

LINEはメッセージアプリで大成功していますが、メディアとしての立場を確立するためにニュース配信のサービスにも並々ならぬ執念を持っていました。

しかし、その分野ではすでに絶対王者ヤフーが君臨しているため、正攻法では勝ち目はありません。そこで目をつけたのが、「社会的な出来事に深い関心を持っているのは少数派でしかない」という背景です。

だったら、「ざっくりと世の中のことを知りたい」という要望を持った大多数の人間に届きやすいニュースの配信に徹しようということで考えたのが、「ニュースは連続ドラマである」という考えに基づいた仕組みです。

テロなど大きな事件があると次から次へとニュース記事が配信され、途中から読むとニュースの前提が分からなくなってしまう、まさにニュースは連続ドラマのようなものというわけです。

そこで、LINEは、「続報中」という第一報から最新の記事までを時系列で表示する独自の仕組みを編み出して、ニュース初心者でもそのニュースに追いつくことができるようにしました。

まさに、これは紙面に限界がある新聞や時間の制約があるテレビでは不可能で、ネットだからこそ可能な仕組みです。

二つ目は、「日本経済新聞社」の取り組みです。

前回の記事で、「(深いニュースを求めるにはコストがかかるが、そのコストはそれを必要とする)ほんの一部の人だけで負担するというのが、全体としてはフェアである」という考えを実現したのが、日経電子版です。

ネット黎明期に様々な既存メディアがサイト視聴の有料化に挑戦して、失敗した結果、ヤフーへの配信という道をとらざるを得なかった中で、唯一その道をとらずに独自路線を歩んできた日経新聞が、自らのコンテンツの価値を信じて、遂にその実行に移したのが2010年でした。

その当時、日経新聞以外の誰もが、その失敗を確信しており、「時代錯誤」とさえ揶揄されました。

しかし、日経は、その開発にシリコンバレー出身者を起用して、早くからスマホ、特にiphone時代の到来を予測するなどの技術的な準備を整えるとともに、コンテンツとしても、単なる新聞紙面の電子化ではない、独自の魅力を作り出すことに注力したおかげで、大方の予想を覆して、新聞業界で唯一の有料化の成功事例となりました。

最後は、「ニューズピックス」の取り組みです。

ニューズピックスは、ピッカーと呼ばれる分野ごとの専門家がネット上に公開されている記事を選び、その記事に対する解説を加えるという仕組みです。

私は、今でもそうですが、新聞やテレビのニュース報道を見ていて、どうしてどの会社も同じような報道の仕方しかしないのか、会社ごとに「初心者用」「中級者用」「上級者用」といった感じで、同じニュースでも報道の仕方を変えたらいいのにと思っていました。

やがて、あの池上彰さんが登場し、「初心者用」ニュースの伝え方というのが、できてきましたが、まさにこの「ニューズピックス」の仕組みは、その需要を見事に取り込んだと言えます。

この取り組みは、玄人が作るニュースと素人が作るニュースが入り混じり、偽ニュースが紛れ込む現在の状況を改善するための一つの解決方法になり得ると思います。

ただ、実際にはピッカーによっては誹謗中傷的なコメントが付くなど問題はあるようですが、このサイトを永続的なコミュニティーにするべく試行錯誤を続けていくとのことです。

このように、前回の記事では、ネット時代におけるニュースの行方は、かなり悲観的な状況のように思えてしまったのですが、上記のような取り組みを見ていく中で、新たな問題解決の糸口が見えてきたような気もします。

これら新たな波として出てきているサービスを実際に使ってみることが、不安を解消する近道だと思いますので、皆さんもどうぞ試してみてください。

 

 

 

 

 

 

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