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必要なのはコードを教えないプログラミング授業

2017年4月2日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

うちの奥さんが子供たちのために買ってくる絵本には、時折ハッとさせられるようなヒット作があるのですが、そのうちの一つを紹介したいと思います。

5歳の子供にプログラミングの考え方を教える絵本「ルビィのぼうけん」です。

本書は、フィンランドの女性プログラマー、リンダ・リウカスが、子どもがプログラミングを学ぶ糸口となるように作った絵本です。

ルビィという女の子が、宝物を見つけるという目的に対して、大きな問題を小さな問題に分けることや、ちらばった情報からパターンを見つけることによって、その目的を達成することが可能となることを理解していく冒険の物語で、プログラミングが問題解決の考え方そのものであるということを教えてくれています。

そして、本書の最大の特徴は、プログラミングの考え方を教える本なのにもかかわらず、いわゆる「コード」が一文字も出てこないことです。

文部科学省は、2020年よりプログラミングが英語とともに小学校教育に取り入れることを正式に決定しましたが、この動きについては私は英語教育について一貫して反対してきました。

プログラミングについては、私は専門外ですので言及を避けてきましたが、本書を読むことで、問題の構造は英語とほぼ一緒であることに気が付きました。

最大の問題は、それらの教科を適切に教えられる人間がいないにもかかわらず、正式教科化することによって、初めてその考え方に触れる子どもたちに、その教科に対するマイナスのイメージを作ってしまうことです。

小学校の先生は、もともと英語を教えるための心構えがなく小学校の先生になっています。プログラミングに至っては、もっとそうでしょう。

そのような方々が、これらの教科の本質を理解しないままに仕方なく教える立場になった場合、初めてその教科に触れる子どもたちの受ける負のインパクトは計り知れません。

むしろ、初めて触れるタイミングだからこそ、もっともその教科の本質を分かった人間が教えるべきです。

その本質が分かっているかどうかがまさに、プログラミングで言えば、「コード」を一文字も出さずに、子供たちにプログラミングの考え方を教えることができるというまさにこの絵本で発揮される力ですし、英語で言えば、英単語を一つも出さずに、英語という言語、もしくは日本語という言語以外の意思の疎通のツールの存在と魅力を教えることができるか、だと思います。

その人材の確保なしに、やみくもに小学校教育に正式に取り入れることは、英語嫌い、プログラミングアレルギーの人間を早い段階でより多く作り出してしまうだけの結果に終わってしまう危険があると思います。

やることが決まってしまった以上、小学校の先生には酷ですが、そのことを十分理解した上で取り組んでいただきたいと思います。

 

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