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結局、大学入学新テストの民間試験配点はわずか

2018年2月26日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

先日(2018年2月16日)、日経新聞に以下のような内容の 記事 がありました。

「2020年に大学入試センター試験が廃止され、新たに導入される大学入学共通テストの英語については、センター試験に変わる新しいマーク式試験と民間試験を併用するという方向であることが公表されていますが、国立大学協会が民間試験の配点を最大でも英語全体の1割弱とする方向で検討していることが明らかになった。」

この問題は国(文部科学省)が、英語の4技能(読む・聞く・書く・話す)のうち、従来2技能(読む・聞く)のみしか測定してこなかったことから、英語を使える日本人を育成することに失敗しているという仮説に基づき、(書く・話す)を含む4技能の測定を目指したことから生じています。

具体的には、この問題の解決として(書く・話す)の力を測定する試験を独自に開発するのではなく、英検やTOEIC、TOEFLなどの民間の資格・検定試験を活用することとしています。(現在審査中2018年3月に公表予定)

このことについて次の二点が「問題」として挙げられています。

① 大学入学共通テストに加えて、民間試験を強制することによって受験生の経済的負担が大きくなり、経済的理由での有利不利が生じる可能性が大きくなること。

② 本来の用途が留学資格やビジネスなどさまざまで、出題内容も異なる複数の試験の成績を公平に比較することが難しいこと。

今回のこの記事によれば、国立大学協会はこの民間試験の配点を最大でも英語全体の1割弱とする方向で検討しているということからすると、上記の二つの問題のうちの②の各試験間の比較による不公平さという問題への対処が目的のように思えます。

私は、そもそもこの民間試験導入について当初から反対をしています。

それは、英語を(書く・話す)という2技能を点数化して、それを当落の基準にすること自体ナンセンスだと思うからです。

それは、私たちが英語のスピーキング能力の測定に特化した面接試験である SEACT を運営しているからこそ分かることです。

この試験の運用で最も苦労する点が、採点の公平性です。

そもそも、書いたり話したりという技能は、人間の全感覚的な判断によってなされるものであるため、それを判断する人間の感覚に左右されるため、同じ試験の点数同士を比較することですら公平性を保つのが難しいのです。

それを、様々なテスト間で比較調整した点数で競争させることなど全くあり得ないことです。

このことから考えれば、これら2技能の能力測定は、例えば(読む・聞く)という客観的な能力の点数で当落を決めた上で、補助的な情報として活用するにとどめるべきものだと思います。

そして、少なくともそれに採用されるテストは吟味に吟味を重ねた上で一つに限定するべきでしょう。

その意味で言えば、今回の方針は、国立大学協会としての良心に基づくぎりぎりの判断の基準を示したものだと思い、その判断に対して大いに敬意を表したいと思います。

ですが、本質論から言えば到底根本的な解決とは言えません。

国立大学協会はあくまでも指針を示したにすぎず、実際の判断は各国立大学が独自にすることになります。

今こそ、各国立大学は独自性を発揮し、自らが受け入れる学生がどのような英語力を身に付けており、入学後、どのような英語力を身に付けさせるのかを明確に意識しながら、この判断をしてほしいと思います。