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超時代的文脈力ランキング

2017年11月26日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

前回は齋藤孝教授の「文脈力こそ知性である」を読み進めていく中で、私自身が考える現在生きている人の中で「文脈力」高い人として、一位にタモリさん、二位に黒柳徹子さんというランキングを恐縮ながら付けさせていただきました。

実際、タモリさんについては齋藤教授自身もその「文脈力」の高さを本書の中で評されていたので、間違いないと思います。(笑)

一方、教授は「自分のおかれている現実の文脈にどっぷりつかってとらわれすぎてしまうと息苦しくてたまりません。時には別文脈に心を飛ばして、違う時間を生きる、そのような部分があったほうがいい。」といい、そのことを理解するための良書として、勝海舟の「氷川清話」を読むことを勧められていたので、すかさず読んでみました。

私としては、時代を超えてもなお、タモリさんを凌駕する「文脈力」の持ち主はなかなかいないだろうなと思っていましたが、本書を読んだ結果、超時代的文脈力ランキングの1位は勝海舟ということになりました!

齋藤教授も、中学生の時に一年間この本をずっと持ち歩いていて、何かにつけて「勝海舟はこう言っている」と言い続け、友達からうざがられてしまったほどだと仰ってましたが、その時の教授の気持ちがよく分かりました。

本書の中から、私自身、「勝海舟はこう言っている」と言ってみたい言葉をいくつか挙げてみます。

「俺が政権を奉還して江戸城を引き払うように主張したのは、いわゆる国家主義から割り出したものさ。三百年の根底があるからといったところで時勢が許さなかったらどうなるものか。また、首都というものは天下の共有物であって、決して一個人の私有物ではない。俺にこの論拠があるものだから、誰が何といっても少しもかまわなかったさ。」

「維新のころには、妻子までも俺に不平だったよ。広い天下に俺に賛成するものは一人もいなかったけれども俺はつねに世の中には道というものがあると思って楽しんでいた。また中途で俺が死んだら、誰か俺に代わる者があるかということも、そんなことは一切構わず、俺はただ行うべきことを行おうと大決心をして自分で自分を殺すようなことさえなければそれでよいと確信していたのさ。」

「俺はちゃんと世間の相場を踏んでいるよ。上がった相場もいつか下がるときがあるし、下がった相場もいつかは上がるときがあるものさ。その上がり下がりの時間も長くて十年はかからないよ。それだから自分の相場が下落したと見たら、じっとかがんでいれば、しばらくするとまた上がってくるものだ。世間の相場はまあこんなものさ。その辛抱ができる人はすなわち大豪傑だ。」

この人のすごさは、完全に時代を超えています。

これらの言葉は現代のような民主主義の時代においても、言い放てることができる人はそう多くないと思いますが、封建制度に立脚する幕府の要職を務めた経験のある人間がこれらの言葉の主であったことは、彼の「文脈力」がが想像を絶するものだったと言わざるを得ません。

どんな時代にあっても、しっかりとした土台としての「知識」を現実の状況を含む様々な「知識」とをつなげることで、その時代に限定されるような固定的な文脈を超えて、超時代的に通用する「文脈」を作り出すことこそが、本当の意味での「文脈力」なのだと理解しました。

しかし、その文脈力が本物かどうかを評価するのは、時勢であるということも事実なので、本物の「文脈力」を発揮する人間には、同時に時勢が評価してくれるまでの「辛抱」を併せ持つ必要があるということも合わせて理解しました。

そして、それを合わせ持つ人を、「大豪傑」だということも教えていただきました。