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「サービスカンパニー」を目指して

2014年6月15日 CATEGORY - 代表ブログ

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皆さん、こんにちは。

突然ですが、マーケティングの定義をご存知ですか?

先日の金融機関の勉強会で「マーケティングとは何か」を体系立てて学んだのですが、私の理解はかなり足りないことに気が付かされました。

私のマーケティングの理解は、「企業が市場のニーズに合った商品を提供できるようにする仕組み」といったものでした。つまりは、市場のニーズの的確な吸い上げとその情報に基づく商品作りの活動という理解でした。

講義によるとマーケティングの定義は以下のような歴史をたどっています。

まずは、マーケティング1.0=「製品中心のマーケティング」、すなわち市場が満たされていない時代のマーケティングですから工場から大量に生み出される製品をいかに市場に売り込むかを考えることでした。

つづいて、マーケティング2.0=「消費者志向のマーケティング」、すなわち1.0時代と比べ多様化した消費者の嗜好を把握し、その情報をもとに製品やサービスをその嗜好に合わせる活動です。しかし、ここでもまだ消費者はあくまでも受け身の存在にすぎません。

つまり、私の理解はこの2.0止まりだったというわけです。

現在はマーケティング3.0=「包括的マーケティング」で定義されるようです。この定義では、もはや消費者は企業によってコントロールされる受動的な存在ではなく、2.0の概念に企業と消費者の信頼関係や感情的な結びつきといった関係の構築を追加する必要があるというものです。

つまりマーケティングは、企業と消費者との協働によって消費を含めたあらゆる人間活動の向上を目指し、世界をよりよい場所にして行くという姿勢・心意気を価値として評価される時代における企業の総合的活動と捉えられるようになったのです。

とはいえ、実際にはこのマーケティング3.0にのっとったマーケティング活動ができている企業は非常にすくなく、世界中の企業が2.0から3.0への移行に悪戦苦闘しているというのが実態です。

そんな中で、ザッポスという圧倒的な存在感を放っている企業がアメリカにあります。「靴のネット通販」を営む企業ですが、その奇跡に近い企業経営の様子を紹介している本を読みました。

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ザッポスの奇跡」です。

ザッポスは先述の通り「靴のネット通販」を営む企業ですが、自らを「たまたま(今は)、○○(靴etc)を販売しているに過ぎない『サービスカンパニー』」と定義しています。ここでいう『サービスカンパニー』とはただ単に「サービス業に従事する企業」という意味ではもちろんありません。サービスを通してサービスの受け手に「価値のある体験を提供する活動」を売り物にしている企業という意味です。

この本の中では、この言葉が単なる「建前」でないということが分かる例が盛りだくさん紹介されています。そのうちのいくつかを紹介します。

「カスタマーサービスの担当者が火事で焼け出された甥っ子のために靴を買うのだという顧客の話にほだされ、スタッフ全員が一丸となって救済物資を募った話」

「イラクで戦う兵士たちのために、(実際に注文された商品とは別に)ゲーム機やゲームソフト、その他母国アメリカをしのばせるもろもろの慰安品を集めた話」

これらの話が、ブログからブログへ、メールからメールへと語り継がれて瞬く間に何百という人の心を揺り動かします。このようなことは、いわゆるマーケティング2.0までの企業が顧客をコントロールするという観点からは不可能なことです。まさに企業と消費者が対等な関係で信頼関係や感情的な結びつきが醸成されて初めて成り立つことだと言えると思います。

これこそが、マーケティング3.0の神髄です。

しかしながら、これらは顧客に直接対応する社員に大きな権限が委譲されていなければ不可能です。ザッポスではコンタクトセンターにおいてコールスクリプトも、対応時間の制限も存在しません。また、普通の感覚では信じがたいことですが、顧客の心を揺り動かすためなら「ほとんど何をしてもよい」裁量権がのすべての社員に与えられています。

そういえば 以前のブログ でセブンイレブンの鈴木会長が『目先のコスト意識にとらわれず、その一見不都合に見えるコストがコストではなく前向きな「投資」として捉える』ことの重要性を強調されていることを紹介しましたが、このザッポスもまさに「顧客サービス」を「コスト」ではなく「投資」としてとらえていることが分かります。

そして、ザッポスの場合は「顧客を喜ばせること」が企業の発展につながることを全員がしっかり理解しています。そもそも、そのようなことを理解できる人間を厳選して社員として迎え入れ、また入社後もそのような考えを浸透させる努力を徹底しているのです。

ザッポスの経営が「奇跡」といわれるわけですから、今はまだ完全にはマーケティング3.0の時代であるといえないわけで、現実的にはマーケティング2.0からマーケティング3.0への移行のタイミングというべきだと思います。

また、別の記事 にてグーグルのお問い合わせ電話番号がなくて四苦八苦したことを書きましたが、「顧客満足度」を高めるために徹底的にコストを削減する方法をとるグーグルやアマゾンのような会社があります。この「顧客満足度」の概念に顧客とのコンタクトを含めるかどうかの判断はまさに企業ごとになされることだとは思います。

しかし、時代は確実にこの方向で動いています。

このように、まったく企業としての性格が異なるアマゾンがこのザッポスを戦略的に買収したという事実やソーシャルネットワークの発展が企業と消費者の双方向性をより強固で深いものにしていることが何よりもその証拠です。

ならば、やはり私たちはこのザッポスの経営から多くを学ばなければなりません。

 

 

 

 

 

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