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ご褒美かエールか

2012年10月14日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

IPS細胞の中山教授のノーベル医学・生理学賞受賞に沸く日本ですが、昨日、平和賞を「EU」が受賞することに決定されたそうです。

この受賞について「?」と思った人は世界中でかなりの数に上るのではないでしょうか。

そういえば、三年前、アメリカのオバマ大統領が受賞した時も、このような反応は世界中にありました。

核のない世界に言及したり、グアンタナモ基地の収容所閉鎖を決めたり、またイスラム世界にむけて行った演説などが評価されたと言われていますが、実際その時点で、オバマ大統領は何も結果を出してはいなかったわけですから。

一方、二度にわたる世界大戦を経験した「戦争の大陸」であるヨーロッパが、過去の忌まわしい歴史に学び、決して戦争を起こさないための仕組みをつくるという壮大な実験として「EU」を作り出し、通貨までも統一して現在に至っています。

しかし、その実験は混乱を極めているということは現在世界中が認めるところです。

つまり、EUも、オバマ大統領の受賞時同様、現在はまだ「なにも結果をだしていない」のです。

「賞」という言葉を辞書で調べてみましたら「功績をあげた者に与える褒美」とありました。

定義を考えれば、「なにも結果をだしていない」人や組織に与えられるべきではないというのが本当でしょう。

しかし、ノーベル賞、特にノーベル平和賞に関しては「エール」という意味合いが強いというのが世界の大方の見方のようです。

オバマ大統領の場合は、「核のない世界」「アラブとの融和」という「世界平和」の実現について、国内のナショナリズムの台頭に負けないように、いい意味でのプレッシャーをオバマ大統領に与えるため。

今回のEUに関しても、ギリシャ問題に端を発した現在進行形の「欧州危機」に対してどうしても、頭をもたげてしまう自国優先主義に対して警鐘を鳴らすため。

このようなナショナリズムの台頭に対抗するという意味がこれらの「受賞」に込められているという見方です。

世界平和という非常に困難な「幸福」を追求するためには、「ご褒美」ではなく「エール」を効果的に、そして絶妙なタイミングで効かせる事が必要なのかもしれないと感じました。

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