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なぜデザインなのか

2016年6月19日 CATEGORY - 代表ブログ


なぜデザインなのか

皆さん、こんにちは。

仕事をするようになってから、「伝える」という作業の重要性が毎年毎年より強く感じるようになってきています。そして、その「伝える」という作業の中でも中心的な役割を果たすのがデザインであるということも強く感じています。

そこで、今回このデザインを考えるにあたって一冊の本を読みましたのでご紹介します。

東京とベルリンで別個に活躍する二人の有力デザイナーによるデザイン対談をまとめた「なぜデザインなのか。」です。

この本で一番印象深かったのが、デザインとは何かというデザインの定義を的確に理解することができたことです。

まず、私は冒頭で「その『伝える』という作業の中でも中心的な役割を果たすのがデザインである」という表現を使いましたが、この表現をした時点において私は、デザインと言う単語をいわゆるウェブサイトのデザインを華やかにするといったような意味で使用していました。

ですが、本書を読んで、私は、その言葉の意味合いを十分に理解せずに「デザイン」という単語を使用していたということが分かってしまったのです。

このことは本書における以下の記述によって気づかされました。

「モダンデザインはいわゆる装飾から脱して、非常にシンプルで合理的なものを生み出しているわけです。デザインはフリルじゃないよとずっと言われています。でも人類のものづくりを冷静に観察すると98%くらいはフリルの方にエネルギーを注いできていると思う。つまり、近代以前の長い人間の歴史の中ではやはり装飾こそがデザインだったと言わざるを得ない。例えば、青銅器を見るとびっしりと細密な模様が付けられています。村とか国とかが求心力を保っていくためには、それを維持する演出が必要だったわけです。この国はすごいんだぞと。ところが、近代というのは、一人一人が平等になっていき、国家は制度としてあるけど装飾によって示威行為しなくてよくなってしまった。個人が自分のやりたいことを自分の責任で自由にやれることが目標となり、それが達成されたならば、必要なものは柔軟な合理性であり、目的に到達する最短距離を発見できるシンプルな知性と感性が求められてくる。」

つまり、私はどちらかというとデザインを前近代的な意味に近いレベル、すなわち”装飾”的な意味合いでとらえていたようです。ですが、本書によって紹介されている現代の意味合いにおけるデザインの定義は、「目的に到達する最短距離を発見する道筋を示すこと」ということになりそうです。

なるほど!と思いました。

アップルのi-phoneに取扱説明書がないことはまさに、i-phoneという製品の企画の段階における「デザイン」の力によってなせる業だということです。アップルのものづくりにおけるデザインは、決して見た目だけを良いものにするためのものではありません。

人間の本能的な動きと、製品の操作を融合させるという目的に到達する最短距離の発見を徹底的に突き詰めるというテクノロジーの根幹にかかわる部分に「デザイン」の力を活用したからこそ、取扱説明書の存在をなくすことに成功したわけです。

このように考えると、「デザイン」こそ、最も根本的に求められる要素であるという認識をあらゆる事業領域において持たなければならないと思いました。