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インドネシア視察旅行記②

2015年3月8日 CATEGORY - 代表ブログ

ビンタン

 

 

 

 

 

 

皆さん、こんにちは。

前回の記事 に引き続いてインドネシア視察旅行にて気が付いたことを書きます。それは、インドネシアと宗教についてです。

インドネシアは、国民の大多数である約87%がイスラム教を信仰している世界最大のイスラム国家です。しかし、イスラム教が国教であるという訳ではありません。この国では、憲法において信教の自由が認められています。

実際に、キリスト教(プロテスタント)約7%、(カトリック)約3%、ヒンズー教約2%、仏教約1%という割合となっており、世界最大のイスラム国家でありながら、同時に多宗教の国という側面もある国です。

もちろん、全人口の約9割がイスラム教徒ですので、いたるところにお祈りの部屋が設けられています。今回お邪魔した日系企業さんの工場にもちゃんとありまし、この写真のように、ジャカルタの空港のコンコースにトイレと同じような感じでお祈りの部屋が設置されていました。

お祈り

 

 

 

 

 

 

イスラムの教えでは「お酒」「豚肉」を口にすることが禁止されています。

ですが、冒頭の写真のようにレストランでは平気でビールを頼むことができます。しかも、このビンタンビールはインドネシアの銘柄です。(ちなみに、マレーシアは国教がイスラム教と定められており、自国の銘柄はなかったように記憶しています。)

また、今回一緒に行かれた方で静岡県内でとんかつ屋さんを経営されている社長さんがいらっしゃいましたが、その方の今回の目的は、イスラムの文化圏の中で「豚肉」が完全にアウトなのかということを直に確かめることだとおっしゃっていましたが、実際にはジャカルタには非常においしい「とんかつ屋」さんがあって、とてもにぎわっていたとのことでした。

銅像

 

 

 

 

 

 

それから、イスラム教では偶像崇拝が禁止されているのですが、インドネシアでは写真のようにいたるところに銅像があります。このことは、一般的なイスラム国家ではあり得ないことのようです。

これらを総合的に勘案すると、他のイスラム国家と比較して「いい感じにゆるい」イスラム国家だという感じがしました。この「いい感じのゆるさ」によって、外国人である私たちにとって非常に居心地がいい国となっているのです。

仮に、国民の9割近くがイスラム教徒である彼らが、この国において外国人である私たちがそれらのタブーを犯すことに対して、嫌悪感をその都度顔に出すのであれば、このような居心地の良さは絶対に感じられないと思います。

つまり、本当に「他人は他人」という精神が徹底しているのです。

昨今のいわゆる「イスラム国」関連の報道によって特に強化されてしまっていますが、「イスラム」全体に何か近寄りにくい「不安感」を感じるのは、まさにその点ではないでしょうか。徹底して自らの信じるものだけを大切にするという精神は、多様性の否定につながってしまいます。

これは、「イスラム」だけに限りません。多くの一神教の宗教を大切にする国ではありがちなことです。

日本のように、クリスマスには「キリスト教」、お正月の初もうでには「神道」、お葬式では「仏教」というように、様々な宗教を否定せずに共存させる精神的技術は、他国と関係を持つうえで非常にプラスに働く要素だと強く感じました。

日本以外の国でこのような気持ちになったのはインドネシアが初めてかもしれません。そもそもの他を受け入れられるこの気質に加え、この国の親日っぷりは半端ではありません。日本国内における日本車のシェアは92%ですが、インドネシアにおける日本車のシェアは94%に達しているらしいのです。

日本よりも日本的なインドネシア。実に頼もしい隣人を得た気がしました。