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ゼロから1を作り出す

2014年11月2日 CATEGORY - 代表ブログ

ゼロ

 

 

 

 

 

 

 

皆さん、こんにちは。

また、いい本を見つけてしまいました。

世界中で2億2000万のアカウントが開設されている決済サービスであるPayPalの創業者ピーター・ティール氏の「Zero to One~君はゼロから何を生み出せるか~」です。

PayPalは、ウェブ上の取引において金銭の授受をPayPalが仲介するため取引先にクレジットカード番号や口座番号を知らせる必要なく行えるという安全なサービスです。これによって、eコマースの最大の弱点である決済の信頼性の問題を解決し、その急成長の原動力になったサービスです。

事実、PayPalは2002年に世界最大規模のオークションサイトeBayに売却され、その膨大な取引を支える決済サービスとしてのみならず、多くのeコマース取引になくてはならないサービスとなっています。

paypal

 

 

 

 

 

 

この本は、本当に永続性のあるビジネスを求めるのであれば、既に世の中にあるサービスをコピーして改善する方法(1をnにする方法)ではなく、ゼロを1にするビジネスアイデアを作ることの重要性を強く訴える内容になっています。

最近の多くのビジネス書が主張するような「独自性などというのは幻想でしかなく、すべてのイノベーションは『既にあるもの』と『既にあるもの』の組み合わせである。そのため、いかに既に世の中にあるサービスをてこにして差別化を測るかが重要だ」とする流れに完全に逆行するものです。

例えば、著者の作り出したPayPalのアイデアでさえ、「クレジットカードという既にあるもの」と「インターネットという既にあるもの」の融合であって、ゼロから1を作り出したわけではないというのが、その流れからの見方だと思います。

しかし、私はその主張の中身云々よりも、著者の主張の基礎にある以下のような考え方に何とも言えない魅力を感じざるを得ませんでした。

「世界に関する命題のうち、多くの人が真でないとしているが実は真なるもの、すなわち『隠れた真実』を発見することが自らの人生をコントロールするだけの力(利潤)を授けてくれる」(一部加筆修正)

つまり、大切なのは「逆張り」の発想です。

皆が反対する投資(チャレンジ)をしなければ、結局はまともなリターンは得られません。なぜなら、皆が賛成する者の先には「競争」という消耗戦しかないからです。

そして、この考え方は投資やビジネスの世界だけのことではありません。著者の次の言葉は、多くの学生にとって重要な要素を含んでいます。

「優秀な学生が、官僚やコンサルタント、弁護士、会計士などになるために『試験』という画一的で大量の人が微妙な差で勝ったり負けたりするゲームに巻き込まれていることは、何とももったいない。機会原価が多すぎるのである。そうではなく、優秀な人ほど誰も目を向けることのない『隠れた真実』を発見することで大きな成功を実現するキャリアを自ら求めるべきだ。」(一部加筆修正)

著者はアメリカの現状を前提にこの発言をしているのですが、これを日本の現状に置き換えてみると、その機会原価はその何倍にも膨れ上がるはずです。

その意味で、この本はビジネスマンはもちろんのこと学生にも勧められるべき一冊だと思います。

 

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