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テレビとインターネットの違い

2016年11月4日 CATEGORY - 代表ブログ

テレビとインターネット

皆さん、こんにちは。

2014年6月8日の「未来への衝撃」というタイトル記事で、グーグルのグーグルキャストという商品について書きました。

この中で私は、「クロームキャストの出現によって、テレビ業界にとって神聖なる領域であったテレビのモニターすら奪ってしまうことになり、今までの領土侵略のスピードが極端に上がる可能性があります」という評価をしていました。

しかし、それから約二年近くたとうとしていますが、私が期待したような「領土侵略」は起こっていません。ブログを長く続けているとこのような社会の変化の予測のあたり外れが分かって面白いということもあります。(言い訳かっ笑)

その理由が何なのか、ずっと気になっていたのですが、今回図らずも別の目的で読んでいた本にその理由が書かれていました。

その本は、「世界のトップを10秒で納得させる資料の法則」です。

本書は資料作りの本らしく、企画書とプレゼンテーションのスライドとの違いについての説明の箇所がありました。これらは、見る人との距離の違いがはっきりしています。

企画書は読む人との距離が近く、パワポは何メートルかの距離を置いてみるように設計されています。

だから企画書は文字がたくさん出ていても、前のめりになって積極的に情報をつかもう把握しようという姿勢で読まれます。それに対して、パワポのスライドは、映し出された内容を聴衆が離れた位置で見ることを前提としているため、情報を詰めすぎると、見る方はついていけないのです。

だから、例えテーマが同じであってもプレゼンの資料として企画書をそのまま流用するようなことは決してやってはいけないと著者は教えてくれています。

同時に著者は、これとよく似ている例として、テレビとインターネットとの関係があげられていました。

クロームキャストの例でも明らかなように、これまで業界では様々なキャンペーンが実施され、それが可能な製品も発売されてきましたが、全く普及していません。著者はその原因をまさにその「距離」に求めています。

考えてみれば、子供以外でテレビを近くで見る人はいません。その反対に、パソコンの画面は近くで見るのが当たり前です。私たちの行動姿勢の前提にはこの当たり前の違いがあるにもかかわらず、グーグルキャストは同じ見方で商品は設計されて商品化されてしまったのです。

なるほど、頭で考えることと体に染みついていることの違いは大きいと思いました。

 

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