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フィリピン人家政婦は見た!

2018年7月16日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

先日(2018年7月6日)の日経MJに非常に面白い記事がありましたのでご紹介します。

それは、国家戦略特区で外国人の家事支援サービスが解禁され、フィリピン人を中心とした外国人の「家政婦」さんが働き始めてから1年が経過した上でのその実態に関する記事です。

その中で以下の部分が非常に日本らしいなと感じましたので引用してみます。

「サービス終了後は依頼者と一緒にどこを掃除したのかを確認していく。掃除した個所を上げていく様子は母親に褒められたい子供のようではあるが、これも勤勉さの表れか。依頼者もやさしい表情で見守っていた。フィリピン人家政婦のマリアさんは『日本人は家政婦にやさしい。厳しい事は言わない』と話す。」

そして、次のように続きます。

「密着していると課題も見えてきた。『あと2年か、、、』昼食をとりながらつぶやいた。現行制度では在留資格は3年まで。『仕事は楽しい。できるだけ日本で働きつづけたい』と漏らす。採用側にとっても3年での帰国は痛い。生活習慣や文化に慣れたころに帰国してしまう。」

これは日本人の外国人に対する距離感の取り方の稚拙さを表していると思います。

この距離感の取り方に関して、私は以前に冗談のような話を聞いたことがあります。

ボランティアでヨーロッパからの外国人の学生をホームステイさせることに決めた家庭が、受け入れる前からものすごく緊張して、これが足りない、あれが足りないと洋風のものを買いそろえていき、最後には和式だったトイレを百万円以上かけて改装したというのです。

彼らは何のために日本に来るのでしょうか。

「家政婦サービス」を提供するプロとして、日本文化を体験する「学び手」として来ているはずです。

であるならば、仕事に対して、または日本文化を学ぶ機会に対して、当たり前のように彼らを向かわせてあげるというのが正しい距離の取り方のはずです。

これは、日本以外の海外駐在ビジネスマンの家庭の現地人に対するふるまい方を見ると一目瞭然です。

明らかに「彼らは自分の家族ではない」というケジメをつけた扱いをします。

私も日本人ですから、なんとなくそのケジメについて厳しいとかもっと温かく接してあげたらと思ってしまうのですが、でもそれでは、「お客様」に向けての態度となってしまうため、長期的に彼らを自らの家庭の中に受け入れ続けることは難しくなります。

そして、なにより彼ら自身が、短期的なお客様扱いよりも、当たり前ですが長期のプロフェッショナルとして扱われることを求めているはずです。

今後、日本が大量の外国人労働者を長期にわたって受け入れる状況を避けることができないことは必至です。

そうなった時、混乱を生じさせることのないよう、私自身を含めケジメをつけられる受け入れ側でありたいと思います。