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世界を知る力

2010年5月2日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

最近読んだ本で、う~んとうなったのはこの本です。

テレビのコメンテーターとしても有名な寺島実郎さんの最新作なのですが、この方はテレビでも非常に鋭い、他の人たちとは違ったものの見方をする人だなと感心してみておりました。

そしてこの本を読んで、さすがだなと思いました。

特に、以下の内容にはっとさせられましたのでそれをご紹介します。

この本を貫いているのは、日本の人たちが戦後一貫して「アメリカの目線」という切り口でしか、世界を見ることが出来ないでいるということです。

その中で、背筋がぞっとするような鋭い指摘が以下のものです。

「日米関係は米中関係だ」と言う他の方の言葉の意味の説明で、アメリカには太平洋戦争への参戦の大義名分の一つとしては日本に虐げられる「中国」を助ける。と言うものがありました。

第一次世界大戦以降、中国国内のドイツの権益を横取りするような所からスタートした日本の対中政策はアメリカを強く刺激したのです。

そして、当時の中華民国の指導者蒋介石にアメリカは莫大な援助をしたのです。

そのようなスタートなので、日本の敗戦によって当然に、中国は戦勝国となり、アメリカと強いタッグを組んで、戦後の世界を牛耳ることになるはずだったのかも・・・と言うことです。

しかし、現実は、中国では蒋介石の中華民国を台湾に追い出した、アメリカが最も憎む共産党が政権をとってしまったことにより、そのような筋書きはなくなってしまいました。

歴史に「もし」はありえませんが、中国が共産党ではなく国民党政権でアメリカと協力体制が継続されていれば、日本が日の目を見ることは無かったであろうと言う考えを筆者は強調されていました。

朝鮮戦争の特需も無ければ、それに続く、高度経済成長もあったかどうか。

アメリカから流れ込んだ莫大な資本は日本ではなく、中国に向けられた可能性が高く、現在の日本の地位は中国が先に、そしてもっと大きな発展を遂げていたかもしれないと言うことなのです。

このような考えを私は今までにふれたことさえありませんでしたが、確かにその通りかもしれないと言う意味で背筋がぞっとしてしまいました。

このような、考え方は当事者としてどっぷりつかっているだけでは考え到らないと思います。

真剣な当事者として振舞うけれども、いつも同時に客観性を持って見ることによって初めてなされるものだなと思いました。

それとともに「日米関係は米中関係だ」と言う意味が深く、そして必要な考え方だなと思いました。

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