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人前で話すときの準備と覚悟

2016年9月2日 CATEGORY - 代表ブログ

山元賢治

皆さん、こんにちは。

書籍紹介ブログ#147でIBM、オラクルを経て、最終的にアップルジャパンの社長を歴任された山元賢治氏による、「人生を変える英語力」をご紹介しました。

当該ブログでも少し書きましたが、私は金融機関の勉強会にて氏の講演をお聞きして、「人生を変える」程ではないにしても、非常に大きな印象を受けました。

そして、本書を読んでまた一つ、非常に貴重な気付きをいただきましたので今回はそのことを書こうと思います。

それは、「人前で話すために必要なこと」についてです。

山元氏の講演は、その内容が素晴らしいことはもちろんですが、その話し方、伝え方がいい意味で日本人離れしています。彼の元上司であるスティーブジョブズもプレゼンの名手として有名ですが、氏のそれは時間のたつのを忘れてしまう本当に引き込まれる刺激的なものです。

そのようなプレゼンをするために必要なこととして、本書において以下のように述べられています。

「毎回の台本を作る代わりに、自分の引き出しを増やし、情報を整理してしまい込む。そして、人前に立った時には、そのすべての情報量のほんの一部だけを話すように工夫する。そうすると、当日のお客様の興味のレベルによって、引き出しから取り出す情報の深さの調整を行えるようになる。」

山元氏はIBM時代、初めての英語での論文発表の際に、完璧に台本を準備してそれを暗記し、一言一句落とさないことに神経を使ったことで、無機質で一方通行のコミュニケーションとなってしまいました。

その結果、双方向のエネルギー交換のような雰囲気は一切作れず、大いに反省したそうです。それ以来一度も台本を用意したことはないといいます。

私も、人前で話をするときには、できるだけこのようなことを心がけていますが、大事なプレゼンや大人数を前にした話などは、どうしても台本を用意したくなってしまいます。実際に、用意をして、氏と同じように無機質で一方通行のコミュニケーションとなってしまったとの自覚をすることがあります。

しかし、それでも、どうしても台本の誘惑を断ち切れないことがままあります。

それに対して、氏はそれ以来、文字通り一度も例外なく、その講演やプレゼンの重要性に関わらず、相手がスティーブジョブズであっても台本を用意することはなかったといいます。

これはまさに、人前で話すときの「準備と覚悟」の問題だということに私は気づかされました。

その「準備と覚悟」は、誰のためにするのか。

それは、「相手」です。話しの「相手」は、その都度変わります。台本という固定的なものを作るということは、その都度変わる「相手」ではなく、変わらない「自分」のためにやっているに過ぎないということになります。

このそもそも論に気づかされ、私はここに宣言することにしました。

今後一切、その状況の如何に関わらず、一切の台本を作らず、相手の状況を把握した上で、自然な話をすることといたします。

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