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偉大な企業になるためには

2014年10月1日 CATEGORY - 代表ブログ

ビジョナリーカンパニー2

 

 

 

 

 

 

皆さん、こんにちは。

かなり前に、「ビジョナリーカンパニー」についてご紹介しましたが、今回はその続編「ビジョナリーカンパニー2飛躍の法則」について書きたいと思います。

前作は、私にとっても、自社にとってもその存在の意義を真剣に考える機会を与えてくれた非常に素晴らしい本でした。その続編ですから、非常に大きな期待をもって読み始めました。

前作「ビジョナリーカンパニー」は「良い企業」ではなく、それとは別次元の「偉大な企業」について書かれたものです。

空前のベストセラーとして有名ですし、実際に世の中に対する貢献度が非常に大きい作品だったと思います。そのため、当然著者自身も前作の価値について十分な自負心を持たれています。

しかし、著者に近しいある方の一言で本書の価値が完成された価値ではないということに気づかされたと言います。

その一言とは、「前作に書かれている企業はほとんど初めから偉大だった。よい企業から偉大な企業に飛躍する必要はなかった。だから前作はほとんどの企業にとって役に立たないんだ。」というものでした。

これが、著者が本書において「良い企業」から「偉大な企業」への飛躍の源が何なのかを探ろうとした理由です。今回のブログでは、皆さんにその理由をかいつまんでお伝えできればと思います。

その答えとして私の心に最も大きな印象を与えたのが、「第五水準の経営者のリーダーシップ」というものです。

本書でいうリーダーシップの段階を以下に整理しておきます。

■第一水準(有能な個人)=才能、知識、スキル、勤勉さによって生産的な仕事をする

■第二水準(組織に寄与する個人)=組織目標の達成のために自分の能力を発揮し、組織の中で他の人たちとうまく協力する

■第三水準(有能な管理者)=人と資源を組織化し、決められた目標を効率的に効果的に追求する

■第四水準(有能な経営者)=明確で説得力のあるビジョンへの指示と、ビジョンの実現に向けた努力を生み出し、これまでより高い水準の業績を達成するよう組織に刺激を与える

■第五水準(第五水準の経営者)=個人としての謙虚さと職業人としての意志の強さという矛盾した性格の組み合わせによって、偉大さを持続できる企業を作り上げる

上記の最後、「第五水準の経営者」の存在が、企業を「よい企業」から「偉大な企業」に飛躍させるために欠かせない要素だということです。

本書では、この「第五水準の経営者」がいかなるものであるかをその事例ごとに解説しています。

著者は、「第五水準の経営者」のリーダーシップとは、自らの功名心にはまったく興味を示さず、自分がその会社を辞めた後にその企業が「偉大な企業」になっていく道筋をつけることに全力を注ぐようなリーダーシップだと言います。

それに対して、「有能な経営者」にとどまる人間は、自分が偉大な経営者だとの世評を集めるのに熱心で、自分が引退した後に会社が成功を収められるようにはしていない場合が少なくなく、むしろ、自分が去った後に会社が転落していくことほど、自分の偉大さを示すものはないと考えるものだと言います。

そのことが良く分かる言葉としてある「第五水準の経営者」の次の言葉を引用しています。

「いつか自宅のベランダから世界有数の偉大な企業の本社を眺めて、以前はあそこで働いていたんだと言えるようになりたい。」

彼らは、成功を収めたときは自らの外にその成功の要因を見出し、その要因を具体的に特定できない場合には「自分は幸運だったにすぎない」と表現します。そして、結果が悪かったときは自分に責任があると考えます。

つまり、「第五水準の経営者」は一様に謙虚なのです。

このような謙虚さという「本物の野心」を持った「よい企業」を「偉大な企業」に飛躍させる「第五水準の経営者」自身が、「第四水準の経営者」から「第五水準の経営者」に飛躍するには、また重要な要素が必要です。

それは、自分を見つめる機会、意識的な努力、指導者、偉大な教師、愛情豊かな両親、世界観が変わるような体験、第五水準の上司など、これらの要素によってその能力が開花するようになると著者は指摘しています。

この指摘について考えてみると、最初の二つ「自分を見つめる機会」と「意識的な努力」以外については自分自身ではコントロールできません。すべては、「偶然の出会い」によってそのすばらしい能力が開花すると言えるのではないでしょうか。

実際に「第五水準の経営者」になることができた人たちはみなそのことを心の底から理解しているために、自分は「幸運だったにすぎない」と表現するのかもしれません。

前作では、自分の会社をそんな会社に少しでも近づけたいと強く思わせていただきましたが、本書では、自分自身がそんな経営者に少しでも近づきたいと強く思わせられるすばらしい読書体験をさせていただきました。

 

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