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楽天流のすすめ

2015年2月22日 CATEGORY - 代表ブログ

楽天流

 

 

 

 

 

 

 

 

皆さん、こんにちは。

楽天の三木谷社長の最新書籍「楽天流」を読みました。

三木谷社長の本は、毎回新しい発見があり、そして大きな刺激を受ける、いわゆる「はずれ」がない本なのですが、本書においても非常に大きな収穫がありました。

それは、楽天の発展の理由が明確に分かったことです。

楽天の発展の原動力は、「仮定」⇒「実行」⇒「検証」⇒「仕組み化」の繰り返しです。楽天が繰り出す、ありとあらゆる行動はすべてこの繰り返しをするという「戦略」に基づいています。

具体的には、次のようなものです。

「仮定(仮説)」をたててそれに基づいて「実行」すれば、必ず「成功」か「失敗」かが明らかになります。そして、いずれにしてもそれらを「検証」し、その理由を突き止めることで、「成功」であれば、それをパターン化して実行し(仕組み化)、常に「改善」していきます。また、仮に「失敗」であれば、それを「修正」して、新たな「仮説」として、また同じサイクルを繰り返します。

つまり、「失敗」は一時的には「失敗」ですが、そのままにされることはなく、必ず「成功」に向かうためのステップとして役に立つという意味で、確実に何もしないよりも「成功」に近づくポジティブな事象と言えるわけです。

楽天の「英語社内公用語化」も当然にこの「戦略」に基づいて行われました。

楽天がこの「英語社内公用語化」を打ち出したとき、多くの企業が「バカな話」「日本企業ではあり得ない」「効率が悪くなる」などと批判しました。

しかし、当事者としての楽天はこのことについても上記のサイクルを愚直に繰り返し、5年ほどたった現在では当初の目的をほぼ達成したといいます。

具体的には、「英語社内公用語化」開始当初、何でもない会議が4時間かかっていたそうです。これだけを捉えれば、多くの企業が「効率が悪くなる」と批判した通りです。しかし、楽天としてはそれは織り込み済みで、「修正」に「修正」を重ねて、最終的には全社社員が世界統一基準の会議を効率的・効果的に行えるような企業になってしまったのです。

そして、このサイクルを回す一番初めの一歩である「行動」の重要性についても次のような確固たる信念を持たれています。

「人は考えてから行動するよりも、行動しながら考えた方が高いレベルでの思考が可能となる。なぜならば、行動によって思考が改善されるからだ。行動なしに考えるだけだと、緊急性がなく、脳を限界のレベルに押し上げる必要にかられない。一方、既に行動を起こしている場合、『効率的に考えなければならない』という強い衝動が生まれる。つまり、行動が思考に刺激を与えることになる。」

特にこの考え方については、私は心の底から同意できます。頭の中で一か月シミュレーションする中で得られることと、実際に行動に移して1日で得られることでは圧倒的に、後者の方に価値があるということを経験的に感じているからです。

このような楽天の世界展開から生み出される会社全体としての効率性の向上は、それを実現するために払ったコストを大幅に上回っていることは間違いありません。それなのになぜ、他の企業にとっては、「日本企業ではあり得ない」ことで、楽天(三木谷社長)にとってはは、「あり得る」ことなのか。

それは、三木谷社長の中にある明確な「ビジョン」に基づいて、一旦それに向かったら、たとえ途中で結果が見えにくくても、忍耐力をもって上記のサイクルを愚直に繰り返せば、最終的には確実に形になるということを確信する力のなせる業だと思います。

このような三木谷社長の姿を見ていると、「会社経営」そのものに対する見方が変わってくるような気がします。

というのも、経営者として成功することは、受験勉強などとは違って、その人の「能力」以外に「運」や「タイミング」が大きく左右するため、やり方による「再現性」が低いと言われます。

つまり、成功した社長に、また裸一貫になって、もう一回成功してみろと言っても、なかなか難しいということです。あの時、あの人に出会えたから、あの時、世の中がこうだったから、、等々、経営者個人の能力とは別の要因に負うことが大きいからです。

しかし、三木谷社長の上記サイクルを愚直に回すという姿勢は、もしかすると「再現性」を肯定するものではないかと思えてくるのです。もちろん、「運」や「タイミング」によって、その成功のスピードに変動はあるかもしれません。ですが、それは遅いか速いかの問題であって、ベクトルが成功へと向かっている以上、いつかは必ず成功すると言えるかもしれません。

そんな、成功の法則を実感させてもらえる非常に貴重な読書体験でした。

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