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日本企業はなぜ生産性が低いのか

2018年1月10日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

以前にこのブログで、ホリエモンの「多動力」という本を紹介して、ホリエモンの振り切った「バランスの悪さ」と同じくらいに日本社会も逆方向にバランスが悪いのではないかという話をしました。

そのバランスの悪さは、「日本人ほど勤勉な国民はいない」という評判はあっても、それは「日本人は生産性が高い」という評判は全く聞こえてこないことの理由にもなっているように思います。

この日本人の生産性の低さについて学ぶのに適切な本はないかと思い見つけた本がこの「世界一速く結果を出す人はなぜ、メールを使わないのか」です。

ちなみに本書によるとグーグルの年間の生産性(付加価値生産性のことか?)が1259万円のところ、パナソニックが300万円で日立製作所は311万円となり実に4倍の差があるようです。

昨今では、非常に多くの分野で、「AIに仕事が奪われるのではないか」と危機感を持つ人が多くなってきています。

しかも、それは「何時間働いていくら」という働き方をする作業員の人々であればまだしも、「成果」に対して報酬が支払われるような類の職種の人々までが、そのような発言をするということになると、その発言自体が日本の生産性の低さの表れではないかというのが著者の主張です。

というのも、本来、後者の人々の仕事はむしろ、「どうすればもっと自動化・省力化することができるか」を考え、現代ではまさに「どうしたら自分の仕事をAIに置き換えられるか」を考えることであるはずだからです。

すでに誰かによって作られた仕事というのは、できることならすべてAIにやってもらうに越したことはない。機械ができることに人間がいつまでもしがみつくということは、産業革命時代に起こった機械を破壊する「ラッダイト運動」と同じではないかということです。

時間がたってみれば、機械によって圧倒的に生産性が高まり、人間全体の生活は確実に向上したため、「ラッダイト運動」は笑い話のように感じられます。

AI時代の生産性の本質は、「新しい仕組みを考え、適用すること」です。これは、AIがいかに発達しても人間にしかできないことでしょう。

この仕事を喜んで受け入れる人の割合が多いということが、生産性の高さに結びついているのだと思います。

グーグルと日本企業の生産性の差は、実はこの割合の差だということになります。

どうせ、時代の流れがそうであるならば、むしろ積極的にその流れを作る側の人間を増やしていくことを考えることが必要であることは間違いありません。

ただその中で、「ラッダイト運動」の時代と同じように、そのことが「搾取」の隠れ蓑にならないように、しっかりとした社会の目を光らせることも重要なことではありますが。

いずれは、「AIに仕事が奪われるのではないか」という危機感を笑い話のように感じられる人間になれるように願いながら私も、これからはできる限り、AI悪玉説を唱えることはやめようと思います。

 

 

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