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自動運転革命

2016年9月30日 CATEGORY - 代表ブログ

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皆さん、こんにちは。

2016年9月17日のNHKスペシャルで「自動運転革命」についての特集を見ました。

今まで、様々なメディアからの断片的な情報でこのテーマについて理解していたつもりでしたが、この番組を見たことで非常に明確に現時点での「自動運転」の全体像が見えてきたように思います。

番組によると「自動運転」には4つのレベルがあり、レベル1が「自動ブレーキ」等の補助的な自動化であり、これについてはスバルのアイサイトなどすでに実用化されています。レベル2が「車線変更」等の段階で高速道路においては実用化されています。レベル3はドライバーが車内にいながらの「自動運転」で、レベル4がドライバー不要の「完全自動運転」の段階です。

各レベルによる程度の差はありますが、「自動運転」の仕組みは、以下のような流れになります。

情報の収集➡その情報の分析➡その結果の解釈➡それに基づく判断

少し話は飛んでしまいますが、私たちが運営している一般社団法人日本実用外国語研究所のSEACTテストはまさにこの仕組みを英語のスピーキング能力の評価に対して適用しており、その一連の流れを実行する主体を「人間」としています。

つまり、この一連の流れについては、現時点ではコンピューターよりも圧倒的に人間の方が有利であるという判断をしているのがSEACTテストということになります。

自動運転は、この人間が有利な一連の流れを何とかコンピューターに担わせようという試みであるわけですが、現在、世界中の自動車会社が熾烈な開発競争をおこなっているのが、レベル2からレベル3の間です。

なぜ、このレベル2からレベル3のハードルが高いのか。

それは、ソフトウェアが処理しなければならない情報が、高速道路上と市街地の道路上では圧倒的に違いがあるからにほかなりません。人間の脳は「感覚」というコンピューターにはない力でもってその複雑な情報を処理をしているのですが、これをあくまでも「計算」でやりきろうとしているところに難しさがあるようなのです。

ところが、世界中の自動車会社がレベル1から地道に積み上げて最終的にはレベル4までもっていこうと努力している中、レベル1からレベル3を飛び越えて一気にレベル4を目指そうとしているのがあのグーグルです。

グーグルは現時点までで地球70周分の走行データ、いわゆる「ビッグデータ」を利用して「自動運転システム」を作り上げようとしています。ですが、彼らの目的は自動車メーカーになることではなく、「自動運転システム」のプロバイダーになることのようなのです。

しかし、これをもって自動車メーカーは安心することはできないと言います。

なぜなら、自動車メーカーは、グーグルがスマホ業界においてその目的を達成する中で、メーカーが「下請け」の地位に甘んじなければならなくなった現実を知っているからです。

スマホというデバイスの価値の本質は、ハードではなく明らかに「アンドロイド」というシステムにあります。(アップルはメーカーでありながら、i-OSというシステムを持っているので、他のメーカーとは比較にならない高利益を出せています。)

自動車メーカーも、自動車の価値の本質を作り出せなければ、従来のような高利益を維持することはできなくなってしまうため、その焦りは計り知れないものがあるように思えます。

どんな業界も、自らの作り出している製品・サービスの本質はどこになるのかを検証しながら、常に価値の本質にかかわり続けることを目指す必要があることを鮮明に理解させられる番組でした。

 

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