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閾値を超える重要性

2012年9月9日 CATEGORY - 代表ブログ

高倉 豊(たかくら ゆたか)氏

1948年兵庫県生まれ。自由学園男子最高学部卒業。1970年博報堂入社。1988年パルファム ジバンシイ代表取締役。1992年イヴ・サンローラン・パルファン代表取締役社長。1997年タグ・ホイヤー ジャパン代表取締役。2000年シスレー ジャパン代表取締役。2004年エスティ ローダー ダルファン事業部ゼネラルマネージャー。2005年ウブロ ジャパン代表取締役。2010年にウブロを退職後、ブランド再生請負人としてコンサルタントやセミナー講師として活躍中。

皆さん、こんにちは。

この方のセミナーを受けました。

「金がない、モノもない、人材もいない」状況の中でいかに結果を出すか、まさに中小企業に必要な能力をピンポイントで解説するセミナーでした。

そして、このセミナーから私が学んだことは、「ティッピングポイント」に確実に達するまでやる。ということです。

この「ティッピングポイント」とは、物事がある一定のポイントを超えると一気に全体に影響を与え始める点のことです。

閾値という表現で説明される方もいらっしゃいます。

たとえば、コップに水を入れる場合を考えたとき、入れ始めから、表面張力が崩れるまでのあいだは、なにも外部に影響を与えませんが、それが崩れた瞬間から、「水が外部に出る」という影響を圧倒的に与えることができるということです。

つまり、はじめの一滴と最後の一滴にはそれ自体になんの違いもないが、そこまで入れ続けた上での最後の一滴には、その力があるように見えるということです。

広告などでも、一回や二回を出したところでは、なんの変化もない(ように見える)。しかし、出し続けて、ある一点を超えた時に一気に広がり始めるという考えです。

でもちょっと待ってください。

「金がない、モノもない、人材もいない」状況の中で、そこまでできないから困っているのにそれでは参考にならないよ、という話です。

そこで、彼は、「一点突破」ということを提案されていました。

つまり、そのコップを極力小さなものを選択して、小さなティッピングポイントを意識して勝負するというものです。

彼は、その小さなコップの選び方に知恵を絞って今まで何度も成功されてきています。

ビジネスマン向けのひとつの雑誌の広告に絞って、連載し続けるということです。

少しやってダメだと、ダメだと思ってまた別の雑誌に行ってしまいがちですが、それをやってしまうといつまでも閾値に達することがないのです。

なけなしの金を無駄に浪費することになってしまうのです。

これと同じことが、政治の場でも言えるのではないかと思ってしまいます。

というか、私たちの選挙行動がそうさせているのかもしれません。

自民党でも、民主党でも、新しい顔が出てきて、またダメ、そしてまた新しい顔・・・まさに、雑誌をどんどん変えていく広告戦略と似ていなくもないような・・・

小さなコップを確実に溢れさせることを繰り返し、だんだんとコップの大きさを大きくしていく。

橋下大阪市長は、そんな感じでしょうか。

大阪府で実績を上げ、次にその府を、側近に任せ大阪市を改革して、大阪都を目指す。そして、維新の会で国政へ・・・

でも、そのペースは早すぎる気もします。

なぜ、日本の政治において、そのような形で頑張る人をステップアップさせてもっと余裕も持たせた形で、実績を引っさげて、国政に当たらせるということをさせてこなかったのか・・・

もったいないですね。

少なくとも自分が関わる範囲では、この考え方をしっかり実践していきたいと思います。

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