語学はやり直せる!#55
2014年6月13日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 語学はやり直せる!
【著者】 黒田龍之介
【出版社】 角川書店
【価格】 ¥686 + 税
【購入】 こちら
この本は冒頭いきなり以下のような文章で始まります。
「『はしか』という日本語を英語ではなんというのか?という疑問からはじまって、英語、ロシア語、チェコ語、スロベニア語と気が付けば部屋のあちこちに開きっぱなしの辞書が散乱している。でも、こういうのが楽しくて仕方がない。」(一部加筆修正)
ここで、大方の読者は完全に引いてしまうかもしれません。私も実はその一人で一瞬、それ以上読むのをやめようかと思いました。(笑)
ただ、筆者ほどの執念はないですが、私も日本語でまたは英語で分からない言葉に出会うと、すぐに調べ、またそれを説明する分からない言葉に出会い、その結果意味のぐるぐる「迷路」にはまる「楽しさ」を知っています。しかも最近ではウィキペディアという素晴らしい助けもあります。
そんなこともあり、くじけそうな気持ちを奮い立たせて読み進めてみましたら、語学学習に対して非常にいいヒントを与えてくれる本であることが分かりました。
そこで、私の中で印象に残った部分を二つほど紹介します。まずは、
「語学で最も大切なのはやめないこと」。そして「やめないためには楽しみが必要」
どうでしょう、単純すぎるけどズバリ真理をついていると思いませんか?いかに牛の歩みでもやめさえしなければ語学の火は消えません。逆に、いくらがむしゃらにやったとしても、やめてしまえば消えてしまいます。
このように、語学に関する当たり前のようなことをあまりにズバッと明言してくれるので本書全体にわたって、非常にさわやかな印象をかもしだしているのです。
また、ある程度まで高めた語学力を維持することに苦心している人とは思いますが、次のような言及もありました。
「言語は『使わないと錆びる』。どんなにできる人でも使わない時間が長ければイザ使うとなると心配なもの。使う予定の前日に隠れてCDで耳を慣らすなど涙ぐましい努力をする。」
これなどは、語学学習の核心をつくものだと思います。どんなに語学ができるようになった人でも、常に使っていなければこのような心境になるのではないでしょうか。その点において非常に安心材料になる言葉ではないかと思います。
このように、納得感のある言葉が満載のおすすめの一冊でした。
文責:代表 秋山昌広