おじさん、語学する #59
2014年6月23日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 おじさん、語学する
【著者】 塩田勉
【出版社】 集英社新書
【価格】 ¥680 + 税
【購入】 こちら
ふざけたタイトルのように見えますが内容は非常に示唆に富んだしっかりとしたものとなっています。
一人の平凡なおじさんが、フランスにいるフランス語しかわからない孫とどうしてもコミュニケーションをとりたい、という目的のために「ゴール」までたどり着くプロセスを赤裸々に描いたものです。
語学の成功の秘訣はその言語を学ぶ理由、モチベーションにあります。その成功の要因としてそれ以外にも、年齢、学習歴、IQ、方法論、様々あげられますが、圧倒的に重要な要素はやはりモチベーションだということが本書を読むと良く分かります。
そして、その次が方法論ということになるのですが、実はモチベーションさえ維持できれば最終的には必ず適切な学習環境を「自ら」見つけ出すことができるということを体感的に理解できる構成の物語になっています。
それでは、語学のとりあえずの「ゴール」とは何でしょうか。
それは、その言語が「できるようになった」という感覚をつかむことであり、日本語からその言語の思考回路の切り替えが可能となることだと著者は言います。
この思考回路の切り替えが可能となる方法論は学習者によって十人十色、千差万別です。つまりは学習者自身が自分に最もあった方法を見つけ出すしかないということです。
この自ら見つけ出すプロセスこそが、語学の成功へのプロセスであり、それをやりきるために必要なのがモチベーションということになります。
そのプロセスを見事に物語として描くことに成功した本書は他に類を見ない価値があると思います。
文責:代表 秋山昌広