おすすめ書籍紹介

アップルジャパン前社長のポンコツ英語反省記 #23

2014年5月10日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介

世界で戦う英語

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【書籍名】 アップルジャパン前社長のポンコツ英語反省記

【著者】  山元賢治+小西麻亜耶

【出版社】 DISCOVER

【価格】  ¥1575(税込み)

【購入】   こちら

 

この本の特徴としては以下のようなものとなっています。

まず、今まで山元氏が経験したビジネスシーンにおけるご本人い曰く「ポンコツ英語」(実際はそんなことなく、ノンネイティブの英語としては十分な英語)表現を紹介されています。

そのあとで、山元氏の現在の会社の社員さんで本物のバイリンガルである小西麻亜耶氏による「本物の英語表現」を併記し、解説を加えるというものです。

実は、この構成、私としては非常に言いにくいのですが、あまりいいものだとは感じませんでした。

私は常々、日本人の英語の弱点はその完璧主義にあると思っています。もちろん、人それぞれレベルの差はあっても、全体として自らを「まだまだ」と思い続ける傾向があります。

この心理的傾向こそが、日本人から英語を遠ざけている元凶だと思っています。

山元氏の表現は、どれも実際に世界的企業にて重要な役割をこなされてきた方にふさわしい素晴らしい英語表現でした。

このレベルの表現を「ポンコツ英語」と表現してしまうと、多くの日本人ビジネスマンのほとんどの方にとって英語が非常に遠い目標に思えてしまうはずです。

そして、また小西氏の「本物の英語」への修正が非常に重箱の隅をつつくようなレベルの高すぎるものでした。

山元氏も本書の中で、以下のように書かれています。

「もちろん、「英語は最低限通じればいい」という考え方もあるでしょう。ですが、これからの時代、本物のグローバルビジネスが押し寄せてきます。通じればいい、というレベルから、ビジネスでも語学でも、向上心・貪欲さをもって生き抜く覚悟が求められつつあるのです」

ごもっともではあります。

しかし、日本人の英語におけるボトルネックを分析すると、今の時点でこのような考えをスムーズに、そして健康的に受け入れることができる層というのは非常に限定されてくるはずです。

少なくとも、本書のタイトル「ポンコツ英語反省記」というフレーズに反応してこの本を手に取るであろう層に向けては残念ながら、スムーズに、そして健康的にとはいかないような気がしてなりませんでした。

世界で実際に戦ってきた山元氏の英語でのやり取りをビジネスシーンに絡めて紹介しているという極めて貴重な内容であるだけに、この構成についてだけは、残念に思った次第です。

 

文責:代表 秋山昌広

 

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