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文科省が英語を壊す #79

2014年10月9日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介

文部省

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【書籍名】 文科省が英語を壊す

【著者】  茂木弘道

【出版社】 中公新書ラクレ

【価格】  ¥720 + 税

【購入】    こちら

現在の公教育における英語教育の問題を非常に明確に指摘している良書です。

この本が書かれたのが2004年、私がランゲッジ・ヴィレッジを創業した年ですから、その時点でここまで明確に問題が指摘されていたことになります。

そして、公教育が「改悪」された状態で10年以上経過してしまっていることを考えると、文部科学省の責任はとてつもなく大きく、本書のタイトルのように「文科省が英語を壊す」と表現されてしかるべきと考えます。

著者の本書での主張は非常に明確です。それは以下の言葉に集約されています。

「会話!会話!というが、文法ができないと会話もまともにできるようにはならないのだ。」

そして、続けて、

「『会話はできるが読解力が低い学生』と『読解力はあるが、会話はさっぱりという学生』に2ヶ月の集中学習をやらせてみると、後者はTOEICのスコアが100点ほど上がるのに、前者は目に見えた成果がほとんど出ない。」とあります。

もう少し続けて、

「アメリカで夫の留学に同行した奥さん方を観察すると、大学入試で受験勉強をした奥さんは短期間に比較的まっとうな英語を話せるようになるが、高卒で受験勉強をしていない奥さん方は、いつまでもブロークンな英語しか話せなかった。この違いを生んでいるのは、頭のよしあしではなく、受験勉強で一度は英文法と格闘したことがあるかどうか、ということなのである。」

もう、何もいうことはありません。(笑)

ランゲッジ・ヴィレッジの1~2週間の合宿で英語が使えるようになるという「魔法」の現象はまさに、上記の奥様方の現象そのものです。

つまり、1~2週間の合宿中に「何か特別なもの」をインプットしたために「できるようになる」のではなく、それまで無駄と思っていた10年にわたってインプットしてきた英語知識を「使う環境」の提供によって「活性化」させるだけなのです。

ですから、参加者の頭の中に基礎的知識(中学三年分の文法と語彙)が存在しない状態では、1~2週間どころか、何ヶ月合宿しようがどうにもならないということなのです。

この問題の本質を理解したうえで、学校教育の「会話シフト」による「文法軽視」の方向性を見ると、著者のみならず「怒り」が自然とこみ上げてくると思います。

これは、我々ランゲッジ・ヴィレッジのビジネスにとってもひと事ではありません。

すぐにでも何とかしなければならない問題なのです。

 

文責:代表 秋山昌広

 

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