英語の歴史 #63
2014年7月11日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 英語の歴史
【著者】 中尾俊夫
【出版社】 講談社現代新書
【価格】 ¥740 + 税
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英語という言語は基本的にはシンプルな構造をしており、他のヨーロッパ言語と比較しても学習しやすい言語だと一般には理解されていると思います。
しかし、それはあくまで「基本的に」であり、分野によっては非常に複雑な部分もあります。例えば、「綴りと発音」の分野に関しては例外が多いことで知られています。
英国の劇作家ジョージ・バーナード・ショーは以下のような例を挙げ、皮肉をたっぷりにその複雑性を批判しています。
「(魚をあらわす)フィッシュという英語の語彙があります。これを『ghoti』と綴って何が悪いのでしょう。」
enoughの「gh」は「フ」と読みます。
womenの「o」は「(小さな)イ」と読みます。
nationの「ti」は「シ(ュ)」と読みます。
これらを組み合わせれば、見事に「フィッシュ」というわけです。
この「綴りと実際の発音が一致しない」という問題は、現在においても特に新語を初めてBBC放送に乗せるときなどには、どう発音すべきなのか真剣な議論になることもあるらしいです。
これは、英語が歩んできた歴史の中で頻繁に他の言語との接触・融合が行われたのにもかかわらず、それらの影響を綴りに反映させ損ねたのが原因のようです。
本書では、英語という言語がどのような歴史的背景のもと現在の形になったのか、それを非常に分かりやすく解説してくれています。
文責:代表 秋山昌広