どのくらい合宿すれば話せるようになりますか?

この質問ほど、雲をつかむようなあいまいな質問はありません。語学学習には、単純な学習時間だけではなく、学習者のそれまでの「学習歴」「センス」それから「熱意」が大きく影響するからです。しかしながら、ランゲッジヴィレッジは「日本の英語教育によって中三レベルの英語知識を持っている方であれば2週間でできるようになる」ということを実際の経験をもとに一般論として公言しています。しかし、実はそのことを科学的にサポートする研究があります。アメリカ国務省の外務研究所(Foreign Service Institute)が1973年に行った研究です。

この研究は、アメリカ人(英語話者)に対して取り組みやすい言語(インドヨーロッパ語系)に取り組むグループと取り組みにくい言語(中国語や日本語などのそれ以外の語系)に分けて、前者をグループ1、後者をグループ2としました。なおかつ言語習得のセンスである言語適正の上ぶれと下ぶれを排除した平均的な人間を対象として行われたものです。

実際の研究はかなり細かく行われたようですが、ここでは少し単純化し、まったくゼロの状態からレベル1~3までの3段階に達するまでの時間を計測したものを使ってご説明します。 ちなみにレベル1とは、(最低限のコミュニケーションができるレベル)で、分かりやすくするためにTOEICのスコアでいうところの400レベルです。レベル2とは、(日常生活を充足し、限定的だが業務上のコミュニケーションもできるレベル)で、TOEIC600レベルです。レベル3とは、(ノンネイティブとしては十分なコミュニケーションができるレベル)で、TOEIC900レベルです。

(LVではTOEICは、実際のコミュニケーション能力以外の条件にかなり影響されることからコミュニケーション能力の基準に使うことを避けるようにしていますが、あまりにも有名なテストのため分かりやすさとして一応載せておきます)

グループ1(母語と言語システムが似通った言語を学ぶ=取り組みやすい場合)では

ゼロからレベル1まで達するのに240時間、レベル2まで達するのに480時間、レベル3まで達するのに720時間という数字が算出されました。

グループ2(母語と言語システムが異なる言語を学ぶ=取り組みにくい場合)では、

ゼロからレベル1まで達するのに400時間、レベル2まで達するのに1320時間、レベル3まで達するのに2400時間という数字が算出されました。

平均的な言語センスを持った集団が、目標レベルに到達するまでに必要な時間数
到達レベル(TOEIC換算) グループ1 グループ2
レベル1=TOEIC400 240時間 480時間
レベル2=TOEIC600 720時間 1320時間
レベル3=TOEIC900 480時間 2400時間

すなわち、平均的な学習能力の日本人が英語知識ゼロでスタートしたとして、レベル1=TOEIC400レベルまで達するのに480時間、レベル2=TOEIC600レベルまでは1320時間、レベル3=TOEIC900レベルまでは2400時間かかるということになる。
もちろん、スタート時はゼロであっても英語を習得したいという「熱意」はあるという前提としますが。

ここで、日本人特有の条件を加味してみます。

それは、日本人は義務教育で中学・高校と6年間は英語を特に文法と語彙についてはかなりの密度で学ぶということです。これは、少なく見積もっても6年間で1000時間と算出されます。これを上記の表に当てはめると、レベル1までの到達時間は-520時間、レベル2までの到達時間は320時間、レベル3までの到達時間は1,400時間ということになります。よって、比較的真剣に学校教育を受けられていれば、レベル1までは誰でもすでに到達しているということになります。

したがって、レベル1、レベル2どちらのレベルでも文法、語彙については少しの復習だけですでにまったく問題ないレベルに達していると考えられます。その為、日本人にとって最も重要視すべきは、リスニング力とスピーキング力ということになります。従って、この二つの点にランゲッジヴィレッジの合宿は集中して対処していくということになります。

また、一般に「英語が話せる」という英語コミュニケーション力を有していることを認められるレベルがだいたいTOEIC600程度(一般的な日本人のようにテクニックや語彙文法に偏らず自然体で受験し、かつバランスの良い得点状況で)からということになると思われますので、冒頭の質問に答えるための残り時間は320時間プラスαと考えます。

ここでようやく冒頭の質問である「どのくらい合宿すれば話せるようになりますか?」に対する最終的な回答ということになるのですが、単純にLVでの授業時間で320時間を割ることで合宿何日という考え方は少し待ってください。

ここでは、LVの合宿の「加速度的効果」というものをご説明させていただきたいと思います。通常、語学学習での時間の使い方は、学校での授業も含め週に1~2回で1回当たり1~2時間という細切れの継続というものが一般的だと思います。

そして、それを経験されている方も多いかと思いますが、かなり非効率感を感じられるものだと思います。いわゆる、学習進度が「2歩進んで1歩下がる」というものです。学習と学習との間に間隔があると忘れてしまう部分があり、もう一度重複して行うなどの非効率さがどうしても生じてしまうことです。

しかしながら、LVの合宿では、強制的に一定期間言語学習だけを行う環境を作ってしまうためにそのような非効率さを一切排除することができます。その為に、少なくとも、細切れ学習の2倍くらいの「加速度的効果」が生じるということが体験的に明らかになっています。この「加速度的効果」を踏まえて、計算をすると以下のようになります。

LVにおいて英語に触れている時間を計算すると一日授業時間6時間、休み時間1時間30分、食事時間1時間30分で、それから就寝までの映画や各部屋での会話時間3時間 合計12時間

週末コースでは12時間×2日×2倍=48時間 (6.7回で320時間消化)

1週間コース(5泊6日)では12時間×5日×2倍=120時間 (2.7回で320時間消化)

このように考えると、一般的な日本人が、LVの合宿で「加速度的効果」を利用しながらコミュニケーションに特化したトレーニングを以上の時間消化すれば基本的には「英語が話せるようになる」と考えられるわけです。

ただし、実際には「熱意」ある・なしが大きな加速度のレバレッジとなりますので、ある場合には、いっそう短時間ですみ、ない場合はいっそう長時間必要となることはいうまでもありません。ですが、少なくとも少なくとも、自らの時間とお金を犠牲にしてLVにお越しになる人々はそのプラスのレバレッジ効果を利用することができるといえると思います。