日本人と英語

アルファベット日本語化論 その1

2014年8月17日 CATEGORY - 日本人と英語

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私の「書籍紹介ブログ」では英語公用語論について「論争 英語が公用語になる日」や「あえて英語公用語論」などの書籍を紹介しながら私の意見も都度述べてきました。

私は、基本的に英語公用語化には賛成の立場です。(英語の幼児先取り教育や学校における文法軽視、オーラル重視などには明確に反対していますが、英語公用語化については賛成です。)

もちろん、公用語化すれば、すべての官庁による刊行物は日英併記することになるなど、コスト面や時間的ロスなど問題も生じると思いますが、やってやれないことはないと思いますし、これから避けては通れないであろう移民受け入れ等におけるベネフィットや当然日本人のグローバル化という直接的ベネフィットを考えればおつりがくると思います。

しかも、反対派の意見に耳を傾けてみるとその多くが誤解に基づいていると考えられるからです。その誤解とは、「英語の公用語化」=英語の母語化(日本語の廃止)という図式です。非常に立派な識者と思われる方でも、この図式を前提に反対論を展開している方が結構いらっしゃいます。実際には推進派のうち誰一人として、日本語を第一公用語、英語を第二公用語とすべきという前提を外してはいないにもかかわらずです。

しかしながら、日本人の現実を考えれば、誤解を前提としていると言えど、ここまでのヒステリック的な反対論が出てきてしまう難しい議論であるということは否定できない事実だと思います。

そこで私は、実現可能性があり、なおかつ日本人のグローバル化に役立ち、またコストも最小限に抑えられ、そして何よりも日本人の思考の基礎となるべき日本語を危機にさらさないで済む方策を思いつきました。

それが「アルファベット日本語化」です。

以前に、「日本語のローマ字採用の是非」という記事でかつて日本において日本語の記述に関し漢字を廃止しすべてアルファベットで表示するローマ字化論が存在した事実を紹介しました。

今回私が提言する「アルファベット日本語化論」は、上記の日本語ローマ字採用(漢字やひらがなカタカナの廃止)論とは全く違います。そうではなくて、アルファベットを日本語における、漢字、ひらがな、カタカナに続く第四の表記方法に公式に採用すべしという考えです。一応ウェブでいろいろ調べてみましたが、まだ誰も提唱している人はいないようでした。(私のオリジナルです!)

現在の日本語におけるカタカナの役割は、①外来語表記 ②擬音語、擬態語表記の二つです。

①外来語表記に関して、アルファベット表記が可能な外来語の表記についてのカタカナの役割を廃止して、アルファベットを使用して表記する外来語についてはその言語をそのままアルファベットで表記することです。

これは昨今の横文字をなんでもかんでもカタカナ表記してしまうという風潮へのアンチテーゼ(笑)でもあります。「theme park テーマパーク」「stew シチュー」「silver シルバー」「application アプリケーション」「browser ブラウザー」「presentation プレゼンテーション」・・・・

これらをカタカナ表記することをやめ、外来語を日本語で表記する際、そのままその通りのスペリングで表記することを正式とするのです。そして、小学校教育において、ひらがな、カタカナの教育が終了次第、alphabetの学習を開始します。

このalphabetの学習は、現在行われているローマ字教育に、日本語に存在していない主要外国語には存在する「発音」の教育も含みます。例えば、英語における「th」「v」「r」「l」、中国語における「zh」「q」などです。

現在、小学校英語教育が導入されていますが、その趣旨はいたってあいまいです。体系的な手法を使わずに、体験的に英語に親しませることを主眼とするというよくわからない趣旨によって多くの英語の専門家ではない小学校の教師が苦しんでいます。それを、「英語」教育ではなく、alphabetという第四の「日本語の項目」の教育と位置づけるのです。

具体的には、alphabetの完全習得とともに、日本語には存在しない発音の体系的理解と体験的習得目標をきちっと具体的に設定します。そうすれば、英語の専門家でない小学校の先生にむりやり「英語」を教えさせるよりも、ずっと短い研修期間で、実践的な教授方法を身に着けていただくことが可能かと思います。

このことで生じるメリットを以下にあげます。

■日本語での思考の基礎をそのまま大切にできる。

外来語に関する部分についてのみ、アルファベット表記にするだけですから、日本語の言語的システムという生態系にほとんど影響を与えることなく処理することができます。

■日本人の英語をはじめとする外国語への心理的障壁が下がる。

これについては、想像以上の効果があると思います。なぜなら、映画の宣伝広告などを想像してみてください。最近では、単純に英語の原題をそのままカタカナにしてしまった「ミッションインポッシブル ゴーストプロトコル」などというとんでもないものも普通に目にすることがありますが、これがすべて「Mission Impossible Ghost Protocol」という形でそのまま公表されるようになるわけですから英語表記への親近感も自然と高まります。

■現在のカタカナ外来語の氾濫を解消することができる。

「正しい日本語」への脅威であるカタカナ外来語の氾濫を抑えることができます。現在のカタカナ外来語は以前に書籍紹介ブログ(記事1 記事2)で書いた和製英語の問題も含め、発音や日本独特のアレンジなどにより、日本語としても意味が分かりにくいものであるとともに、それをそのまま外国人に対して使っても、ほとんど機能しないことが多いのです。先ほどの「theme park」という「テーマパーク」とはかけ離れた発音で記憶してしまう事態が生じます。つまり、せっかく分かりにくいものを覚えたとしても、日本の中でも日本の外でも利用価値は少ないのです。この方策によれば、この問題が一気に解決します。

■日本人の外国語に対する憧れと偏見を排除できる。

これが最も大きなメリットだと思います。小学校のうちから正式な日本語として、主要外国語の発音をそのまま取り入れる教育を受けることになるため、現在多くの日本人に見られる外国語発音をすることに対する「恥ずかしさ」とそれを発音する人に対する「蔑視」の感情をなくすことができます。これにより、外国語教育をあえて低年齢化する必要もなく、各言語を始めたいときに始めたとしても、発音において苦労することなく自然体で学習できる素養を身に着けることになります。

いかがでしょうか。

この方策をとることで、最終的に英語第二公用語化を進めるにしても、よりよいステップとなるでしょうし、英語を公用語にしなくとも、日本人のグローバル化を今よりもずっと自然な形で、犠牲も少なく達成することができるはずです。