ビジネス英語は切り返し力
2017年2月8日 CATEGORY - 日本人と英語
先日書籍紹介ブログにてご紹介した「週刊東洋経済2017年1/14号」に関して、「あんちょこ系」の記事が多い中で、唯一「ビジネス英語」に関する部分について本質を捉えた記事があったため紹介したと書きました。
具体的には、以下の主張です。
「グローバルなビジネスの現場で、「ちゃぶ台返し」に出くわしたことはないだろうか。意思の疎通がうまくいかず相手を怒らせたり、タフな交渉に立ち会ったり、複数の人たちを相手にファシリテーションをしたり。大なり小なり「英語で戦う」場面は必ず出てくる。そんな時、相手の言ったことにどのように反応するか。「切り返し力」があるかが、ビジネスのコミュニケーション力においては重要なのだ。」
そして、その記事の中では、この「切り返し」を行うに際して、自分の要求を相手に納得させる力技を繰り出すまでの「つなぎ」としての「ちょっと待った」の意思表示に有用なフレーズの実例を挙げていましたので今回はそちらをご紹介します。
【1】聞き返す
Sorry? Excuse me?
【2】話を続けさせる
I see. So? And? Then? So then? Go on. Go ahead. That may be true.
【3】話を遮る
Just a second. Hold on. Let me think. Let me think.
【4】口を挟む
Let me ask a few questions first. May I? Where shall we start? I have a question.
【5】違和感を伝える
I am a little confused.
We have a real concern about this issue.
This is much more than I expected.
How can you be so sure?
【6】具体的に言わせる
Such as? For instance? For example?
ランゲッジ・ヴィレッジでは、「ビジネス英語」、すなわち、これを覚えればビジネスを乗り切ることができるというような、いわゆる「あんちょこ」を提供することを徹底的に批判してきています。
なぜなら、ビジネスでは「こう来れば、こうする」というような画一的な状況など想定できるわけもなく、常にアメーバのように変化に対応していく必要のあるものだからです。
ですから、今回の記事にて、「ちゃぶ台返し」に対する「切り返し」の議論が出てきたときには我が意を得たりという気持ちになり取り上げました。
しかし、上記にあげたフレーズというのは、まさに「あんちょこ」そのものではないか!という批判が飛んできそうです。
確かに、これらはそのとおり、「あんちょこ」そのものです。
ですが、英語でのビジネスという修羅場においては、「ちゃぶ台返し」を食らった後、自分の要求を相手に納得させる力技を繰り出す必要があります。
まさにこれこそが「ビジネス英語」の力ということになるわけです。
そこで落ち着いてその力を発揮するために、「つなぎ」としての「ちょっと待った」の意思表示を効果的に行うことできるかということも、実は無視できない要素です。
そのタイミングを最高のものとするためには、その場での思考することで適切なフレーズを導き出すよりも、ほぼ「反射的」に繰り出すことができるよう、事前に状況ごとに対応して記憶しておくことが重要だと思います。
そもそも相手は「ちゃぶ台返し」で、こちらにプレッシャーをかけてきているわけですから、即座で効果的なフレーズを打ち返すことで体勢を立て直し、できるだけ安定した状態を作ることがまず必要でしょう。
その状態を確保したうえで初めて、自分の要求を相手に納得させる力技を繰り出すことができるようになります。
自動車の運転でいえば、初めての土地の複雑な道路を運転する際に、ギアのチェンジや方向指示器の出し方などがまだ慣れれずに、頭を使いながらやっているようでは、自らの頭に負荷がかかりすぎてしまいます。
初めての土地の複雑な道路を安全に走行するためには、最低限のことは頭を使わずに自動的に体が動くようになっている上で、その「修羅場」に思考でもって対応することが重要なのと同じということでしょうか。
そういった意味では、「あんちょこ」も使い様ということです。