日本人と英語

フランスの国名の由来はフランク王国

2025年3月17日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「英語は語源×世界史を知ると面白い」からテーマをいただいて書いていますが、第四回目のテーマは「フランスの国名の由来」です。

「フランス」の国名と「フランク王国」はその場所も含めて関係があるのだろうと漠然と思ってはいましたが、ただフランスは言葉もラテン系のフランス語であるのに、「フランク」は典型的なゲルマン系の王国であるということで大きな違和感を感じてきました。

本書にはそのあたりについての詳細説明がありましたので以下要約引用します。

「フランスという国名はフランク人(the Franks)によるが、ゲルマン語源で、彼らが武器として好んで使用していた『投槍』に由来する。ゲルマン人による支配が続くフランスの言語がゲルマン系ではなくラテン系であるのは、ライン川より西のガリア地域はもともとローマ帝国の領内にあったからである。支配層であるゲルマン人の人口は少なく、ほとんどの人たちがラテン語の口語である古フランス語を使っていたのだ。」

さらっと説明してくれていますが、私の長年の違和感を一掃してくれるには十分の説得力でした。

ちなみに、フランク王国の全盛期はカール大帝の時代で800年にはローマ教皇レオ3世からローマ帝国皇帝の冠を授けられ、キリスト教的ゲルマン統一国家として、西ヨーロッパのほぼ全域を制圧し、「ヨーロッパの父」と呼ばれていました。

カール大帝の死後、843年に中部フランク・西フランク・東フランクの三つに分裂し、これがそれぞれイタリア・フランス・ドイツの原形になりました。

フランスという国名がフランク王国由来だというのはすでに触れましたが、ドイツの国際都市「フランクフルト(Frankfurt)」もフランク王国に由来し、意味はフランク人(Frank)が渡る浅瀬(furt)です。

現在、ドイツ語ではフランスのことを「フランク帝国」という意味の「フランクライヒ(Frankreich)」と呼ぶのに対し、フランス語ではドイツを「アレマン族の国」という意味の「アルマーニュ(Allemagne)」、と呼んでいます。

ちなみに、フランク人は自由民であったことから英語の「frank」は「率直な」という意味になり、そこから派生して「franchise」は会社が個人や他社に与える『自由に営業する権利』という単語になったようです。