
「狭い」と「小さい」
2020年5月1日 CATEGORY - 日本人と英語
書籍紹介ブログにてご紹介した「英文法の魅力」から、いくつかテーマをいただいて書いていますが、第四回のテーマは「単語の意味の範囲」についてです。
これは、日本語と英語のように母国語と異なる言語、しかもその言語が母国語から遠ければ遠い言語ほどいつまでもしっくりこない非常に難しい問題です。
しかも、その単語が身近で基本的なものであればあるほど、その難易度が挙がってしまいます。
例えば、「狭い」と「小さい」、「広い」と「大きい」などです。
本書よりその部分を以下に引用したいと思います。
「日本語の『狭い』は幅にも面積にも適用されますが、英語では以下のように単語を分けます。
・narrow=(幅が)狭い ・small=(面積が)狭い
ですから、The road is too narrow to pass through.やMy room is small. のように分けて使用されます。
同様に、『広い』も以下のように分けます。
・wide=(幅が)広い ・big/large=(面積)が広い
ですから、The corridor is very wide.やAustralia is a big country. となります。なお、bigとlargeはほぼ同じ意味で用いられますが、前者は主として話し言葉で多用され、後者は書き言葉で用いられる傾向があります。」
このように整理して説明されるとさほど大きな問題ではないように見えますが、実際のアメリカでの生活においては、こんなシンプルなものが最後の最後までしっくりこない難題でした。
私個人的には、これと同様に「Didn’t you go to movie yesterday?(映画に行かなかったの?)」と否定疑問文で聞かれて、「はい、行きませんでした。」と答えたいとき、なかなか「No, I didn’t.」と言えないのも非常にもどかしく感じられました。
これも、身近で基本的なものであればあるほど、その難易度が挙がってしまうということを証明しているように思えます。