しなやか英語とは「句動詞」のこと
2024年2月8日 CATEGORY - 日本人と英語
書籍紹介ブログにてご紹介した「やっぱり英語をやりたい#308」からテーマをいただいて書いていますが、第二回目のテーマは「句動詞」です。
日本人がなかなか英語を自由に使えないと言われる一つの大きな原因として、日本人はただ英語が苦手というよりは、日本人の英語が「ごつごつ」していることが挙げられます。
私は、日本人の英語をそのような「ごつごつ」したものから「しなやか」なものにできれば、日本人の多くが英語をコミュニケーションツールとして自在に操ることができるようになると思って、ランゲッジ・ヴィレッジの「国内留学」を立ち上げました。
そして、「富士山メソッド」という書籍を書き、ウェブサイトにおいても「しなやか英語辞典」というコーナーを設けて、一人でも多くの人に「しなやか英語」の重要性を知ってもらう努力をしてきました。
ただ、本書にはこのことの重要性について、私が用いている「しなやか英語」という抽象的で感覚的な言葉ではなく、きちっとした文法用語を示しながら説明している箇所がありましたので、以下要約引用します。
「英語ネイティブスピーカーが日本人学習者の英語を聞くと『そんな難しい単語を使わなくてもシンプルな表現でいいのに』と感じるらしく、『やさしい英語でいいんですよ』と親切なつもりで直したりします。端的な例が『句動詞(phrasal verb)』です。句動詞とは、動詞に前置詞や副詞を組み合わせた熟語で、元の動詞とは違った意味になる独立した意味の単位です。分かりやすい例で説明すると、『屈服する』に該当する英語を和英辞書で調べると『yield』や『surrender』などが出てくるのですが、これらは英語母語話者にとっては公式の場で使うものであり、違和感を覚えるのでしょう。一方で句動詞give inは日常的によく使う簡単な英語なのでそちらを勧めるのは自然です。(一部加筆修正)」
これ、外国人が日本語を話していることを想像しながら考えてみると分かりやすいと思います。
日本語が決して流暢だと言えない外国人が、
「え~、ワタシははしを使うのが下手デス。何度もれんしゅうしているけどどうしてもうまくならないデス。だから『屈服』シマス。」
なんて言ったら、聞いている私たち日本人は「えっ?」となりますよね。
そして、「だからあきらめマス。」と修正したくなりますよね。
しかし、私たち日本人が英語を使うときは当たり前のように、
「I am very bad at using chopsticks athough I practiced so many times. So I surrender.」
と言ってしまいがちです。
こうならないためには、コツコツと正攻法の英語学習を続けつつ、前回の「強烈なモチベーションこそが英語上達のカギ」で見たような強烈な「モチベーション」によって、双方向性を意識した英語使用の機会の確保を継続することが重要だと思います。