日本人と英語

基本動詞の「本来の意味」とは

2024年9月15日 CATEGORY - 日本人と英語

今回より書籍紹介ブログにてご紹介した「一度読んだら絶対に忘れない英単語の教科書」からテーマをいただいて書いていこうと思いますが、第一回目のテーマは、「基本動詞の本来の意味」です。

本書を読むことで、「have」「take」「make」などの超基本動詞の「本来の意味」を抑えることで、それらがとる目的語などとのコロケーションの習得や表現のバリエーションの理解に大きな効果があると実感しました。

そこで早速、以下に一つ一つの「基本動詞」を見ていきたいと思います。

① haveの本来の意味:「くっついている」

これは正直意外でした。

haveで気を付けるべきは、「持つ(動作動詞)」と覚えるのではなく、「持っている(状態動詞)」として覚えるくらいが論点かなと思っていたので、この指摘には非常に新鮮な驚きがあったからです。

◆ I have a book. 「私」と「本」がくっついている→私は本を持って(所有して)いる。

◆ I have a cold.「私」と「風邪」がくっついている→私は風邪をひいている。

◆ I had lunch.「私」と「昼食」がくっついている→私は昼食を食べた。

◆ I had a lot of rain yesterday.「私」と「雨がたくさん降ったという経験」がくっついている。→雨がたくさん降った。

そうなると、私の上記の「動作動詞ではなく状態動詞として覚える」という方法論すら、実は正しくない可能性が出てきたような気がします。

というのも、くっつき具合が一時的な場合、例えばI had lunch.やI had a lot of rain.などは、むしろ動作動詞的なはずであり、だからこそ、

I was having lunch.やI was having a lot of rain in the morning.

という進行形の表現も当たり前のようにできるはずだからです。

 

② takeの本来の意味:「占領している」

◆ I took the ticket.「私」が「チケット」を占領した→私はチケットを取った。

◆ I will take my father.「私」が「父の時間」を占領した→私は父を連れて行きます。

◆ It takes 10 minutes from here to the station. 行くのに10分間の時間を占領することになる→行くのに10分かかる。

 

③ makeの本来の意味:「~を具体化する(引き起こす)」

◆ I will make my own dress.「私」が(布だったものを)「ドレス」という服の形に具体化する。→私は自身のドレスを作ります。

◆ Make an effort!(あなたが)「何もしていない状態」から「行動」を具体化する→努力しなさい!

◆ I made him wash the car. 「彼が車を洗っていない状態」から「彼が車を洗う状態」を引き起こす→私は彼に車を表せた。

 

もしかしたら、却ってまどろっこしい!と敬遠される方も少なくないかもしれません。

これらの基本動詞の様々な意味とそれによって生じるコロケーションなどを、それぞれに大きな努力をしてすでに覚えてしまった今となっては、そこまでのインパクトは正直感じられないと思われても仕方ないと思います。

しかし、英語の学習を開始したばかりの子供たちに、まさにその基本動詞に初めて触れさせるそのタイミングでこの「本来の意味」を提示した後、上記の様々なバリエーションを提示するという方法にすれば、非常に健康的にそのイメージがどんどん深まっていくだろうと思います。

それは、私自身が「文法講座」において「be動詞」=「イコール動詞」というような形で「本来の意味」を教えることで受講者の理解と応用の幅が一気に進んだことを思い出したとき、このことを改めて強く感じたことが大きな理由です。

 

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