
「多様な英語 」のショールーム
2024年6月20日 CATEGORY - 日本人と英語
前々回、前回と書籍紹介ブログにてご紹介した「英語の読み方 リスニング編」からテーマをいただいて書いていますが、第三回目の今回は、「多様な英語」の発音の事例紹介です。
前回の記事にて、リスニングへの応用を前提としたスピードを上げるためのリーディング練習における3つの重要なポイントのうちの「③ 日英の発音の違いを知っておく」に関連して、「多様な英語」についてのコラムにて以下のような言及がありました。
「インド系アメリカ人の学者ヤムナ・カチュル氏は拡大していく英語圏を同心円のモデルを用いて、内円圏、外円圏、拡大円圏の3つに分類しました。内円圏とは英米豪加のような英語が母国語として話されている国、外円圏はシンガポールやインドのような植民地支配などを経て英語が主たる第二言語として定着している国、拡大円圏は中国や日本のような英語が重要な国際語として認知されている国を指します。国際共通語としての英語の側面に注目するなら、外円圏はもとより拡大円圏までを含んだ膨大な話者数を無視できません。」
この「多様な英語」の概念についてはこのブログにおいてもすでに「world Englishes」という概念を紹介済みですが、本書にはその実例として豪・印・仏の三つの英語の発音についての動画を紹介してくれていましたので、こちらでご案内します。
◆オーストラリア英語(内円圏)
オーストラリア首相:トニー・アボット氏
オーストラリアはもともとイギリスの植民地であったため、その英語の原型はイギリス英語です。特に移民として多くやってきたロンドンの労働者階級の英語の影響が強いと言われています。例えばtodayが「トゥダイ」となるように、英米の標準語で「エイ」と発音されるところが「アイ」になるという特徴があります。
◆インド英語(外円圏)
インド首相:ナレンドラ・モディ氏
外円圏の英語になると私たちが慣れている英語との差が大きくなります。インド英語にも様々な特徴がありますが、標準英語では極めて重要な音の強弱やリズムの感覚が薄く、標準英語と異なる位置に強勢を置いて発音することがあるため聞き取りづらくなることがあります。また、綴り字に律儀に従った発音をする傾向があるため、標準英語では発音しない文字もしっかり発音して別の単語のように聞こえるということもあるようです。例えば、「r」をどこにあっても巻舌気味の「ル」と発音する傾向があり、partnersなどは「パートナルズ」のように聞こえます。
◆フランス英語(拡大円圏)
経済学者:トマ・ピケティ氏
英語もフランス語も共通のアルファベットを使う言語であり、加えて、英語にはフランス語由来、あるいはフランス語の祖先であるラテン語由来の単語も多くあるため、フランス人が話す英語はフランス語に影響を受けやすいと言えます。流暢な英語ですが、癖のある発音と言わざるを得ません。
◆日本英語(拡大円圏)
*22:15~
私はかつて拡大円圏の中の英語である日本英語について「日本英語は世界で何番目に魅力的か」という記事にて取り上げました。
こちらはかなり誇張をしているので本当の意味として参考になるか分かりませんが、おまけとしてこちらの動画も載せておきますので是非おなかを抱えて笑ってください。