日本人と英語

実はAI時代こそ英語が重要

2026年5月1日 CATEGORY - 日本人と英語

英語関連書籍ではありませんが、慶應大学の川原教授の「友だち以上恋人未満の人工知能」から、「AIと英語」という今最もホットなテーマでかなり鋭い指摘がありましたのでご紹介します。

AIと英語」というテーマは今までもこのブログで取り上げてきました。

そして、私なりの結論としては、

「AIというブラックボックスを通してではなく、相手がどのような思考を経てそのような発言をしているのか直接把握しながらコミュニケーションを取りたいというこの欲求は、AI翻訳によって満たされるようなことは決してありません。つまり、AI時代が進展すればするほど、『ライブ=国内留学(生活と英語の融合空間)』を活用する英語学習法は、むしろ今よりもより重要になるはずだと確信」

したというものでした。

しかし、本書「友だち以上恋人未満の人工知能」を読んで、人間がAIにはまり込み、遂には身も心もAIに取り込まれてしまう様を目の当たりにして、これはもはや「ライブ」と何ら変わらないレベルではないかと気づかされ、すくなくともAIだからライブ感がないという議論はもはや通用しないのではないかとも感じたのです。

そして、AIがライブ感を含め英語を日本語に翻訳する役割を果たしてくれるのであれば、日本人が英語を学ぶ必要はなくなるのではないかという議論が再燃しかねないと思ったのです。

ただ、本書にはその疑念を別の視点から払拭してくれるコラムがありましたのでそちらを要約引用します。

「言語は文化や価値観を映す鏡でもあります。食前の決まり文句は、日本語では『いただきます』で英語ではHave a good meal.です。しかし、英語の表現には『食材を提供してくれた命への感謝』や『作り手への感謝』は反映されていません。また、英語ではHow are you?と疑問文であいさつすることで『会話を始めよう』という機能があり、日本語の『こんにちは』とは異なります。(英語圏での「雑談の重要性」については、すでに私自身もこちらのブログ記事で言及済みではあります。)つまり、外国語を学ぶことで世界の見え方が広がるのです。さらに、『AIが言語間の格差を広げている可能性』も無視できません。というのも、AIの訓練データの言語は英語が圧倒的多数を占めているため、英語AIの方が性能が高く、ハルシネーションも少ないという報告があります。すると、『英語AIの性能が良い』→『それを利用してネット上に英語の文章が増える』→『さらに英語AIの性能が良くなる』というループが起こる恐れがあります。つまり、『英語を使える人だけが、AI時代の恩恵を最大限に享受できる』という未来が到来しつつある。こう考えると、『AI翻訳があるから英語は不要』と短絡的に結論付けるのは危険です。基礎的な英語力を身につけておけば、AIが翻訳した出力を吟味できますし、必要に応じて自分の言葉で意思疎通を図ることも可能です。結局のところ大切なのは、英語を学ぶことも、AIを使うことも、主体的に生きるための道具として捉えてみることだと私は考えたいのです。」

なるほど、しかしこれも「英語帝国主義」ここに極まれりといった感が否めないのでかなり慎重にとらえる必要はありますが、そこは「英語帝国主義」を過大におそれてチャンスを逃すことなく国際感覚と日本人としての独自性のバランスを取りながら、それこそ「主体的」に捉えるべきだと私も著者に同意します。

 

◆この記事をチェックした方はこれらの記事もチェックしています◆