日本人と英語

英語は楽器やスポーツのように学ぶ

2018年8月1日 CATEGORY - 日本人と英語

前々回、前回に引き続いて「全解説 英語革命2020」からテーマをいただいて書いていきたいと思います。

第三回目のテーマは、「新しい時代の学校における英語の学び方」です。

本書において著者は、2020年の英語試験改革後は学校英語教育のあり方を大きく変えなければならないと指摘されています。

具体的にどのように変わらなければならないか。

それは現在のような「学問」を教えるという姿勢から「楽器やスポーツ」を上達させるような姿勢へと変える必要があると言っています。

具体的には次のように指摘されています。

「先生のしゃべっている時間が生徒の言語活動の時間よりも長い学校には問題がある。」

弊社の話題で恐縮ですが、ランゲッジ・ヴィレッジの「国内留学」をはじめて14年になりますが、この講座の運営をすることで分かったことがあります。

それは「使える外国語」を身に付けるためには絶対に外してはいけない「方程式」があるということです。

その「方程式」とは、「文法」を身に付けた上で「英語を使う」環境を実現することで「文法」を「会話」に結びつけることです。

今までの日本の学校教育が使えないと批判されてきたのは、「文法」(と読解、すなわち2技能)しかやらなかったからで、「英語を使う」環境の実現には手を付けてこなかったからです。

いや、手を付けてこなかったのではなく、手を付けられなかったというのが本音だと思います。なぜなら「使う環境」を実現するためにはコストがかかるからです。

安河内先生はアドバイザーという立場で関わっている私立高校の授業を「使う環境」を実際に提供しこの方程式を実現している事例として紹介されています。

まさに、「先生のしゃべっている時間より生徒の言語活動の時間の方が長い理想的な環境」が実現されているようでした。

そして、より詳細な情報を求めてその学校のことを調べてみますと、次のような説明を見つけました。

「進度に応じた習熟度別授業を行い、習熟度の高いクラスは1クラス15名の少人数制でネイティヴスピーカーを配置している。」

安河内先生のこの取り組みは非常に理想的なことだと思います。

ですが、この学校が負担しているであろうコストや人材のことを考えるとこの理想的な授業を日本全国の学校で実現することは不可能だと思います。

そして、1クラス何十人という日本の学校の仕組みでは、「方程式」を実現することは非常に難しいということです。

安河内先生は、テストが変われば授業も変わらざるを得ないはずだからまずはテスト改革は断行しなければならないと仰います。

ですが、コストや人材の問題が解消されない中でのこの提案は非常に雑なものだと言わざるを得ないと思います。

日本の学校英語教育が実現すべきことは、テスト改革と授業改革はセットで実現する丁寧な英語改革であるべきです。

本書を読むことで安河内先生の批判的推進者としての立場を部分的には評価しつつも、やはり本質論で考えると私はまだ譲ることができませんでした。