日本人と英語

状態動詞と動作動詞

2019年6月16日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「なぜその英語では通じないのか」からテーマをいただいて議論をしていますが、第二回目の今回のテーマは「動詞の性質」についてです。

本書で著者は、「知っている」と「知る(知るようになる)」の違いの認識の重要性について以下のように取り上げています。

「数年前に東京で見た場面の話である。『〇〇さんも来るみたいですよ』と言われたアメリカ人が『私は彼女を知ります。』という妙な日本語で応えていた。私は、その『知ります』を耳にしたとき、非常に懐かしく思った。というのも『英語圏人の日本語学習者は、初歩の段階では『知る』という動詞を英語の『know』と一対一で対応させて暗記する人が多く、私もその一人であったのだ。』当然のことながら、日本語の『知る』は『知らない状態から知っている状態へ』というプロセスを表す動作動詞だが、これに対して英語の『know』はプロセスではなく、『知っている状態そのもの』を表す。」

これなどは辞書で調べながら勉強する初歩の学習段階ではなかなか気が付くのが難しいことです。私も、著者も同じようにこの罠にはまった経験があります。

しかし、よく考えてみるとこれはもっと根本的な母国語ベースにおける私たちの認識の甘さに原因があるのかもしれません。

というのも、上記の引用の中にある「初歩の段階では『知る』という動詞を英語の『know』と一対一で対応させて暗記する人が多く」という指摘ですが、そもそも「知る」という日本語の意味が、「知らない状態から知っている状態へ」という動作動詞であるということを意識できる状態で日本人の多くがその言葉を使っているかどうかを問うべきです。

日本語の使用の段階でそのことができていれば、一対一で英語と対応させるときに、「know」という英単語をその日本語に対応させていいかどうかというチェック機能が働かせ、すぐに「learn」などの動作動詞を選択する判断をすべきだからです。

そのチェック機能が働かず、無意識に「知る」と「know」を対応させてしまうという姿勢は、日本人にしろ、その逆にアメリカ人にしろ、日本語と英語のそれぞれ母国語話者としての言語に対するアンテナの低さが原因であり、外国語学習に関わる姿勢以前の問題だということに気づきました。

また、「思う」という言葉に対応させる英語の動詞として「think」を思い浮かべる人が多いと思いますが、これについても「(特定の)意見を持っている」という状態動詞の意味合いで対応させるべきで、例えば「ナポリに行ったとき、治安の悪い都市だなと思った。」という場合には、「realize」などの動作動詞を対応させるべきなのです。

これも、日本語における「思う」という言葉についてどこまで分析的に使用できているかということが問われているのだと思います。

しっかりと反省して、日本語を改めて省みたいと思います。

 

せっかくですから、いかに動作動詞と状態動詞をまとめてみましたので参考にしてみてください。

◆動作動詞

arrive、come、learn、die、drink、drive、eat、get、go、jump、leave、play、read、start、stay、wait、write、realize

◆状態動詞

 believe、belong、know、like、love、see、smell、think

 

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