
「現在形」の謎
2020年4月26日 CATEGORY - 日本人と英語
書籍紹介ブログにてご紹介した「英文法の魅力」から、テーマをいただいて書いていますが、第二回のテーマは「現在形」という時制についてです。
前回の記事において、「英語の時制には『現在形』と『過去形』しか存在しない」という衝撃的な話をしたばかりですが、その二つのうちの一つである「現在形」も実はその存在に疑問符がつくのではないかという話です。
実は私は、これについて中高生のころからずっと、「何か変だ」という感覚を持ってきました。
そして、前回のテーマ設定からインスパイアされて私が独自に課題設定をしたものです。
従って、本書からの引用ではなく、私がいろいろなところで調べたものを私なりの解釈で書こうと思います。
その課題設定とは、現在形と一口に言っても、「I know how to swim.」という表現と、「I go to school everyday.」という表現は明らかに「同じ時間」の表現ではないというものです。
「I know how to swim.」は、「私は泳ぎ方を知っている」という意味であり、これについては明らかに現在のことを表現しており、私たちが普通に考える「現在形」という概念に適合します。
それに対して、「I go to school everyday.」は明らかに、「今学校に行っている」という現在のことを表現しているわけではありません。
「今日も行くだろうし、明日も行くだろう。そして、おそらく昨日も行った可能性は高い」ことを私たちはこの表現から理解するはずです。
すなわち、私はこれを「現在形」ではなく「習慣形」という新しい時制の「くくり」を作って、上記の「I know how to swim.」の「現在形」とは区別すべきではないかと思うのです。
この課題設定からこの二つの表現の根底にある違いは何かを調べると以下のことが分かりました。
「I know how to swim.」に使われる私が設定した「現在形」は、いわゆる「状態動詞」と呼ばれる動詞にのみ適用されるというものです。
状態動詞とは、この「know」をはじめとする「be」「have」「live」「like」などの「状態」すなわち、現在その動作が「継続」していることが前提の動詞です。
それはつまり、動作に「区切り」がない動詞とでも言いましょうか。
だから、一般的にはこれらの動詞に「進行形(現在分詞=形容詞化)」は存在しないと言われます。それ自体が、「進行=状態」していると考えられるからです。
ですから、その動詞がある文章はすなわち、「現在その動作がおこっている」わけで、当然にして「現在形」となります。
それに対して、「I go to school everyday.」に使われる私が設定した「習慣形」は、いわゆる「動作動詞」と呼ばれる動詞にのみ適用されるというものです。
「動作動詞」とは、この「go」をはじめとするその動作のはじまりと終わりが比較的短い時間内におさまることが前提の一般動詞、つまりそれは「一区切り」の動作として認識されることが前提のほぼすべての一般動詞です。
ですから、もしこれらの動詞について、習慣ではなく、「状態動詞」のように今現在その動作を行っていることを表現したい場合には、「進行形(現在分詞=形容詞化)」を用いることになります。
どうでしょうか。
この二つの動詞の違いを理解すれば、その二つを「現在形」という一つのくくりでまとめてしまっている現在の分類には本質的な問題があるように思えてくるのですが、皆さんはどうでしょうか?