日本人と英語

発信語彙の増強法④コノテーション

2026年8月30日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログでご紹介した「英単語「1万語」習得法 #372」からテーマをいただいて書いていく中で、第二回目から「発信語彙」の強化に仕方について見ていきますが、四つ目は「コノテーション」です。

私がアメリカ留学中に英語の運用においていくつか印象的だった経験があったのですが、その中でもかなりその印象が強かったのがこの「コノテーション」です(もちろん、その時にはそれが「コノテーション」呼ばれるものだという理解はありませんでしたが)。

それは、車屋さんに勤めていたホストファーザーに手ごろな中古車を売ってほしいというお願いをしたところ、非常に格安な条件でそこそこ上等な車を手配してくれた時に私が、

「Wow! This is a very cheep car, thank you veru much!」

と心からのお礼の気持ちを込めて言ったところ、彼が少々不満げな表情で、

「If you are really surtisfied with it , you should say it’s a good price or this is a very reasonable car. But, not cheep car.」

と指摘してくれたという経験でした。

つまり、「コノテーション(connottion)」とは、単語の辞書的意味の他に存在する、その単語が持つ感情的な響きやニュアンス(言外の意味=含意)のことです。

このケースでは、日本語の「安い」には「懐に優しい」という褒めコトバ的なニュアンスがあるけれども、英語の「cheep」にはそれはなく、むしろ「質が悪い」というネガティブなニュアンスを含んでいるので、「安い=cheep」という一対一の当てはめは危険であり、単語を記憶する時には、このような「コノテーション」を意識する必要があるということなのです。

では、それ以外の事例についても見てきます。

まずは同じように肯定的なのか否定的なのかという「感情の色」を伴うものとして、

動詞の「cause」があります。

cause a problem/cause damage/cause pain/cause cancer/cause harm

逆に、良いことを「引き起こす」という場合には、

bring happiness/generate energy/foster growth

などの動詞を使います。

また、形容詞の「agressive」は、今では「アグレッシブな」という日本語にもなっており、「積極的な」というポジティブな意味合いで使われることも多いものですが、英語には「攻撃的な」とか「押しが強すぎる」というネガティブなコノテーションがあるため、日本語の感覚のまま英語で使うと批判しているととられかねません。

英語において「積極的な」というポジティブな表現をしたい場合には、「proactive」を使います。

形容詞としてもう一つ挙げると、「cute」がしばしば問題となります。

日本語では「うちのおばあちゃんはキュートだ」とか「彼ってキュートなところがある」と言ったりしますが、英語の「cute」には主に子供や赤ちゃん、小動物、若い女性の外見や小さくて魅力的なもの(例えば小物やカフェなど)に対して用いられるものなので、英語にもそのまま「cute」を用いるのは控えるべきです。

その場合には、「My grandmother is charming.」や「He is lovely.」と言うべきで、そうでないと違和感以上の「バカにしている」というようなニュアンスで取られてしまうかもしれません。

続いては、言語におけるその単語が焦点を当てている意味の範囲の違いから生じる動詞の「コノテーション」について見てみます。

それは、日本語がその動作の「過程」に焦点を当てるのに対して、英語はその動作の「結果」までを含意することが多いという傾向です。

この違いがはっきり表れるのは「溺れる」という動詞です。

日本語の、「少年は湖でおぼれたが、無事助けられた」という表現はごく自然に聞こえますが、これを英語に翻訳して「The boy drowned in the lake, but he was saved.」と言えば、「?」と受け取られることになります。

それは英語の「drown」は単に「溺れる」だけでなく「水に溺れた結果死ぬ」という最終結果まで含意するからです。ですから、これを正確に翻訳するのであれば、「The boy almost drowned in the lake,but he was saved.」と明示する必要があるのです。

また、「説得する」と「pursuade」という動詞にも同じようなことが生じます。

日本語の「彼を説得したが、彼は結局諦めなかった」という文には違和感がありませんが、英語の「I persuaded him to give up, but he didn’t.」というと「諦めることを説得できたのになぜ諦めるの?」というように矛盾を生じさせることになってしまいます。

ですから、「I tried to persuade him to give up,but he didn’t.」のようにする必要があるのです。

確かに、このことを知ることは、発信語彙の強化に確実に貢献することになるはずです。

 

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