日本人と英語

発話語彙の増強法②フレーズ

2026年8月28日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログでご紹介した「英単語「1万語」習得法 #372」からテーマをいただいて書いていく中で、前回から「発信語彙」の強化に仕方について見ていきますが、二つ目は「フレーズ」です。

「コロケーション」に加えて「発信語彙」の強化に重要になるのが、それよりも大きな単位で「一定の意味や機能を持つかたまり」としての「フレーズ」です。

英語を読んだり聞いたりするとき、一語一語を個別に処理していると、理解に時間がかかり、全体の意味をつかむのが困難になってしまいます。しかし、英文を「かたまり(フレーズ)」として捉えることで、理解のスピードと正確性が劇的に向上します。

例えば、pointという単語の意味を「点、要点」などとして覚えていても(そして、good pointやimportant pointなどのコロケーションを知っていたとしても)、以下のような実際の会話や文章で使われる様々なフレーズを知らなければ、この単語を効果的に使うことができません。

From a practical point of view(実用的な観点から言えば), we will need to hire more staff.

Let me make this point clear(この点を明確にさせてください), we will not lower the quality of our products.

注意すべきは、これらのフレーズは「読めばわかる」けれども、多くの人が「言えない(書けない)」という点です。それらを単語(プレハブ化された表現)のように捉え、一塊として瞬時に取り出せるようにすることで、一気に英語の発信力が高くなるというわけです。

以下にフレーズを覚えるメリットを4つ挙げます。

①使用場面と結び付けやすくなる

フレーズはある程度の長さがあるため、それを使う文脈がはっきりしてきます。例えば、take a deep breath to calm oneselfという表現は、「緊張をほぐすとき」「落ち着きたいとき」といった使用場面がありありと浮かんでくるでしょう。この場面との結びつきがフレーズを記憶するヒントになり、実際のコミュニケーションで必要な時に素早く思い出せるカギとなります。

②脳の認知負荷を下げることができる

私たちの脳が文を理解したり産出したりする際、ワーキングメモリという限られた要領の中で処理を行います。単語を一つずつ処理していては、すぐにこの容量がいっぱいになってしまいます。しかし、複数の単語をかたまりとして処理できれば認知的な負荷が大幅に軽減されます。

③音韻的なまとまりがわかる

文章を自然に読むには音韻的なまとまり(一息で発音されるリズムの単位)を意識することが重要です。フレーズはそれ自体が音韻的なまとまりになることが多く、このまとまりを意識できると、より自然な発音に近づくことができます。

*②と③は密接に関連しているというのが私のアメリカ留学での経験からの感想です。ある程度まとまったフレーズが自然と出てくるようになると、他の本当に言いたいことに集中でき、全体として上手にメッセージを伝えることができる確かな感覚がありました。

④応用力を高めることができる

多くのフレーズは固定された部分と、状況に応じて変更可能な「オープンスロット」を持っており、これを理解することで表現の幅が飛躍的に広がります。例えば、It is important to note that~というフレーズは、一見すると固定されているように見えますが、It is 【形容詞】 to 【動詞】that【節】というように、【三つの要素】が入れ替え可能な「スロット」として機能しているので、それぞれに状況に応じた要素を入れ込めば一つのパターンで多様なメッセージを発信できるようになります。

確かに、前回のコロケーションに加えて「発信語彙」の強化に役立つことを確認できました。