日本人と英語

教材は「簡単なものを大量に」が原則

2026年5月29日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログでご紹介した「英語の新しい勉強法」からテーマをいただいて書いていきますが、第一回目の今回のテーマは「教材の難易度」です。

もちろん私もタイトルにある「簡単なものを大量に」については知っており、それはその通りだと思っていましたが、その難易度については、「その教材の中に自分が知らない単語が大体30%くらいあるくらいがベストバランスかな」といったざっくりとした自分の感覚のみを頼りとしてきました。

ところが本書には次のような私の想定とは大きく異なる基準を示されており正直驚きました。

「何より最初にすべきことは、『自分が最も伸びる難易度』に設定することです。リーディングにしろリスニングにしろ、インプットしている英文の難易度を下げてください。ほとんどの学習者が難しいものを使っています。これは学生時代の『点数を取るための英語学習』の弊害かもしれません。第二言語習得論では、言語を使えるようになるために最適な英文のレベルは『自分が9割以上理解できているもの』とされています。理解率がそれを下回ってしまうと、いくら勉強しても『頑張っている感』だけが残り、残念ながら実際にはほとんど伸びていないのです。」

私はその驚きとともに、この「9割以上理解できているもの」というのは最初簡単すぎるのではないかと批判的に見てしまいました。

ただ、次の著者の指摘を受けて、私は「受験勉強の英語対策」と「使える英語対策」の違いを明確にしてきたつもりでも、私自身のその意識が不十分だったことに気づかされました。

「これは私たち日本人が苦手なリスニングだと顕著に影響します。リスニング力の伸びには『英文をインプットした量』だけでなく、『英文をインプットした際の理解度』も大きく関係しているということを知る必要があります。9割理解できるくらいの難度設定がなされれば、負担が軽くなるため『大量のインプット』が可能となり、難易度の高いものだと2時間かかっていたものが20分でできるようになります。この感覚が分かればしめたものです。(難しいものの6倍もの量を)毎日積み上げていくインプットの中から、アウトプットできるものが少しずつ増えていくのです。このように、インプット量に比例してどんどんアウトプットが可能になっていきます。」

本書の冒頭で著者は、英語学習にもビジネスマネジメントの考え方を取り入れるべきだとして以下のような「SMARTの法則」を取り入れるべきだと指摘されていました。

S  :Specific(具体性)

M:Measurable(測定可能性)

A::Achievable(達成可能性)

R:Relevant(関連性)

T:Time-bound(期限)

ここで該当するのはおそらく、「A::Achievable(達成可能性)」でしょう。

大体ビジネスの世界ですと頑張ったらギリギリ達成できるようなある程度のストレッチが必要な目標をためるべきだとされていますが、それはビジネス(もしくは特にリーディングなど旧来からある受験対策)には、適用できてもリスニング・スピーキングなど「使える英語」に直結する分野には少しアレンジが必要であることが本書の指摘でよく分かりました。

*これは映画を一般的な英語学習を目的に活用することをお勧めせず、専門的な分野別の学習に限定すべきだとした私のウェブ記事「映画活用専門英語学習法」の考え方にも少しだけ共通する考えではあると思います。

言い訳をするわけではありませんが、本書でも一応「最低でも7割、できれば9割」という書かれ方をされている部分がありましたので大ハズレではなかったのですが、リスニングに限定すれば9割であるべきだとの知識へアップデートすべきだと痛感しました。

 

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