
英単語の「広さ」と「深さ」による分類
2026年8月19日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログでご紹介した「英単語「1万語」習得法 #372」からテーマをいただいて書いていきますが、第一回目の今回のテーマは「英単語のレベルによる分類」です。
単語にはその単語を自分自身が自在に活用することができる、すなわち「深く」学ぶ必要のある「発信語彙」と自分で発信はできないが聞いたり見たりしたら分かる、すなわち(浅くてもよいから)「広く」学ぶ必要のある「受信語彙」の二つに分類されます。
なお、「単語が分かる」ということを少し専門的に説明すると、「①形態知識(発音、綴り、接辞に関する知識)」「②意味知識(形態と意味の結びつき、すなわちそれを見て意味が分かることやそれが表す意味の理解、他の語との関係性に関する理解)」「③使用知識(実際のコミュニケーションで語彙を適切に運用するための知識)」の三つの知識が相互に関連し合いながら発達し、受容的知識(受信語彙として持っている)から産出的知識(発信語彙として持っている)状態へと段階的に深化していくことと考えられます。
もちろん、理想は広さも深さも両方あることですが、すべての単語に同じように「深く」「広く」を求めれば、効率はとても悪くなってしまい、現実的ではありません。
だからこそ、単語の「頻度」によって戦略を使い分けることの大切さを訴えるのが本書の最大の目的でした。
今回は、英単語を上記の段階ごとに分類し、またその段階ごとに本書の掲載されている具体的な単語の例もあげてみることにします。
①1~3000位までの3000語 カバー率90%(あらゆる英文中の90%の単語を知っている状態)
これは英英辞書の見出し語を定義するために必要とされる単語リストである「Oxford 3000」とも一致する数値ですが、ここまでは確実に「発信語彙」として、「聞く・読む・書く・話す」の4技能すべてで活用できるよう深く学ぶ必要があるものです。
ex) private trust point level return branch bright progress bottom investigate emotion ultimate accrtate ruin attract
②3001~6000位までの3000語 カバー率95%
このレベルは学習者の目的や専門分野によって「発信語彙」にも「受信語彙」にもなりうる語彙群です。例えば、ビジネスで使用するため学習する社会人であれば、inquiry warrant bankruptcyなどは発信語彙として深く習得する必要がありますが、一般的な日常会話を重視する学習者にとっては受信語彙として理解できれば十分かもしれません。このため、中頻度語の学習戦略は個々のニューズ分析に基づいて決定することが重要で、すべてを画一的に扱うのではなく、優先順位をつけて段階的に習得していくことが効果的です。
ex) acquisition eager assemble inevitable density affiliate preliminary descend drought scatter evoke axis appetite sincere temper
③6001~10000位までの4000語 カバー率98%
このレベルは「受信語彙」としての習得を優先すべきです。これらは読解や聴解において理解できれば十分な場合が多く、産出面でも安全な習得よりも、まずは意味知識を中心とした受容的理解を重視することが効率的です。特に学術的な文章や専門的な内容を理解するためには、この低頻度語彙の「受信能力」が重要な役割を果たします。
ex) astonishing cozy stump demise squint contaminate lateral endurance alleviate pervasive resonance havoc ensue revoke excavation jeopardize unravel pollen repercussion incense
90%をカバーするのに3000語で足りる一方で、次の3000語を覚えてもたったの5%、そして次の3%は4000語を覚えないとカバーできないという事実は、かなり衝撃的であり、学習の優先順位および効率性を重視する必要性をひしひしと感じさせられます。









